子どもたちは夜と遊ぶ（上・下）／辻村深月

ミステリーは先を急いでしまう。こんな長編はとくに。

いやあ長かった。目的のない殺人はしんどいな。終わらせたくて、あえて読み流してしまった。ミステリー大好き人間ではないので、二重人格だなんて全然思わなかったし、それがミステリーの常套手段だということも知らなかったけど、それって明らかにずるいし単純にオチとして物足りなさを感じると思いませんかっ（突然の語りかけ）。構成とか世界観とか好きだっただけに残念だったなあ。いちばん驚いたのは本筋から少し外れているけど孝太が月子と兄妹だったってことで、この仕掛け自体はオモシロー！だけど、それを踏まえたらいろいろ不自然だったり解せないところも出てくるという……。ほかのリンク小説を読んだらちょっとはすっきりするかな。読み終えたときには、安堵と切なさが残ります。