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時は過ぎゆく、されど左足は残り続ける

8月の終わり、日産スタジアムでマリノスのゲームを観戦。1stステージ王者のレッズをホームに迎えて、私の心はギラギラに燃えていました。

レッズが負けたくない相手なのはもちろんだけど、コケ続けた2nd序盤戦からようやく復調しつつあるチームの今後のためにも、この試合がこの夏の大一番であることは明らかだった。それはたぶんレッズも同じだったんじゃないかな。

結果、4-0の大勝。誰が予想できたか、このスコア。夏の終わりの寂しさなんて忘れさせるかのように、霧雨降るスタジアムは熱くはじけた。

今年。監督が変わって、チームはゼロからのスタート。俊輔は古傷の手術をして、リハビリからのスタート。復帰後も、監督の方針で出場機会が限られたり、これまでと違うポジションで違う役割を求められたり、37歳になって新しい壁にぶつかる姿を見て、もしこのまま今のチームスタイルにはまらなかったら引退してしまうんじゃないかと思うこともあった。

けれど。この日、俊輔は1ゴール1アシスト。そこにいたのは輝き以外の何者でもなかった。輝き、が形になったみたいだったの、本当に。

先制点のFKはスーパーでスペシャル。あの1点が試合を決めたと言ってもおかしくないくらい、スタジアムの空気が変わって、観衆も、選手も、ボールも芝も、俊輔の時間の中にいた。

私、なかなかアウェイには行けないし、俊輔が不動のスタメンではなくなった今、あんなゴールの瞬間に立ち会えて、ゆめみたいだった。

もう、どうにも陳腐な言葉だけど、ゆめみたいだったよ。

「適応しながら反抗している」とは、今年の俊輔を評した誰かの言葉だけど、これは言い得て妙で、新しい環境にそぐう努力を厭わずに、けれど自分が積み重ねてきた経験とアイデアをもって、置かれた状況に抗ってもきたんだよね、俊輔は。

そしてこれは私のありふれた日常に、深く鋭く刺さることでもある。慣れない仕事にまずは適応を。そして理想に近づくための反抗を。そうだ、私もそうありたいんだ。目が醒めるような思いだった。

私は今も、俊輔に突き動かされてるんだなあ。
いつもいつも、私のスーパースター。
これからも、私の光です。


タイトルは、フランスのSO FOOTより。今回目にした数々の賛辞のなかで、いちばん気に入っている。輝きはそこにある。

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