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猪熊弦一郎展 猫たち

やーっと行けた。仕事を投げ出して(正確に言えばリュックに詰めこんで)会社を飛び出したらまだ明るくて、こんなのいつぶりだろうと思いながら渋谷の街を横断、横断。
過去二度の香川旅の両方でMIMOCAに行き損ねている私、この機会を逃すわけにはいかなかった。4年前の小金井の展示(はけの森美術館のどんなことをしても僕なんだ展)もよかったけど、文化村、さすがのボリューム感!厚みがあってよかった。
私、猪熊さんの猫は、鉛筆で描いたような線画が好き。初期のデッサン風のも晩年の図形寄りのも、猫たちはみんなしなやかで気ままで気負いはなくただそこにいて、でも人のそばにいる感じがしてとてもよい。猪熊さんの描く猫は飼い猫なんだよなぁ。人が描かれていなくても、人の存在をすごく感じる。
とくによかったのは背中を丸めてアイロンがけをしていたら、背中に猫が乗っちゃった、という絵。三匹が腰のあたりにすっと鎮座し、もう一匹が尻から登っている。それからもうひとつは奥さんの葬儀の日に描いたという奥さんの肖像。奥さんの肖像を、たくさんの猫が囲ってる絵。後者は写真撮影可だったけどよすぎて泣けてしまって撮れなかった。前者はグッズ化してるかも!?と期待したけどなかった。私が気にいる絵はだいたいグッズにならない。
ああー今年か来年、また香川に行き次こそMIMOCAに行くぞ、と意気込んで外に出たら渋谷はもう夜になっていた。路上ミュージシャンがオリジナルラブの接吻をインストで演奏していて、渋谷〜!と思った。

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