【WCS2023】ミュウVmax〜世界大会出場日記〜【ポケモンカード部門】
①挨拶
こんにちは、関西でポケモンカードをしているふーたそです。
横浜で開催された世界大会に参加することができたので、文を残そうと思います。
主に使用したデッキや世界大会前の過ごし方についてです。
興味のある部分だけでも読んでいただけると嬉しいです。
(以下常体、デッキ名などは一般的な略称を用います。)
②使用デッキ・当日のマッチング
今回使用したデッキはフュージョンミュウ
マッチング
1.ミライドン○○
2.アルギラ×○×
3.ロスバレ○○
4.アルギラ×○×
5.一撃ルギア××(drop)
③環境について
今回の環境は一言で言うと「混沌」。
強いデッキが複数存在し、何が勝ってもおかしくなった。
考えていた流れとしては、
NAIC以前:サーナイトとロストバレットがトップシェア
NAIC:アルセウスの台頭
NAIC以降:ロスギラの増加(アルセウスの増加に合わせた形)
WCS(予想):アルセウスがトップ、ロスギラがそれに追う形になる
そのほかのデッキも存在するが、アルセウスとロスギラがトップであると考えていた。
終始頭を悩ませていたことがサーナイトのシェア。
デッキパワーが群を抜いて高いことはわかっており、私自身も使用候補として自主大会などで使用したが、BO3形式で勝ち切ることが難しいデッキだと感じた。
Day2ボーダーが18ptか21ptであり、3本ゲームできないサーナイトの使用率は低くなるのでは?と考えていた。
そのため、デッキ選択の際
①サーナイトへのガードを下げても良い
②アルセウスとロスト系統に勝てる
の2つを軸にした。
海外のロスギラはドラピオンが抜きのミカルゲが主流。
初動を超えることができればミュウに分があり、アルセウスについても同様だと考え、ミュウを選択。
先攻後攻両方に強い動きがあり、ゲームスピードの速さがBO3に適していたことも大きな要因と言える。
※実際の分布
大外れ。ここまで外れる?というぐらい外れた。
自分は競馬を絶対にやってはいけない人間だと感じた。
ルギアトップシェアは読めんて…
④デッキ構築について
スタンダードレギュレーションと異なるため、特徴的な部分のみ。
〈対ミカルゲ〉
③で述べたようにアルセウスとロストに勝つことをゴールとして考えていた。
海外のロスギラの多くはミカルゲが入っており、雪道+ミカルゲのパッケージがアルセウスとロスギラの共通点だった。
ボール一枚でこちらの動きを止めることができるミカルゲは非常につらい。
そのため、「先1にミカルゲを置かれても動くことができる」ことを強く意識して、イキリンコexを採用。
ミカルゲ下でも動くことができ、VIPパスやカミツレに繋げることで、2ターン目以降の動きを確保しにいく。
(副次的な効果として、後攻1ターン目のメロディアスエコーの確率が上昇したのも嬉しい点)
崩れたスタジアムもセットで採用しないといけない点は好ましくなかったが、ロストカイオーガにワンチャンス掴める部分ができたのは良かったかもしれない(海外はあまりシェアが高くないが…)。
〈対アルセウス〉
主な仮想敵はアルセウス+ブラッキー(他に何か入っていてもあまり関係ない)
そもそも、Vstar+Vmaxのパッケージは正面から殴り合う場合パワータブレットの枚数が足りなくなる。(Vstar:ベルト+タブレット2枚 Vmax:ベルト:タブレット3枚以上 ベルトで節約しても足りない)
相手がミュウVmaxをワンパンできてしまう場合、こちらが攻撃できるターンが足りず、ゲームに勝つことができない。
そのため、
①やまびこホーンを採用して強引にサイドを取り切る
②ミュウVmaxが攻撃を耐えて攻撃するターンをもらう
のどちらかのプランで勝ちにいく必要があった。
今回は②のプランで、オドリドリを採用した。
ブラッキーVmaxの「ダイアーク」は160点。
オドリドリがいると、160*2-20=300 でミュウVmaxが攻撃を耐えることができる。
もちろんこだわりベルトがあると倒されてしまうが、スターバース以外で道具を確定で持ってこられるデッキではないため、お祈り要素としては十分価値がある。
アルセウスVstarがダブルターボをつけてミュウVにトリニティノヴァを打つ時もこだわりベルトが必要になり、相手に要求を上げ続けることができる。
また、技「じょうねつのしずく」もタブレットを節約できたり、残りHPがわずかなポケモンを倒しながら後ろのポケモンに削りを入れたりすることができ、非常に有用だった。
※当日はアルセウスギラティナと2回マッチングし敗北。
オドリドリを置くことでロストインパクトでワンパンされないため、やりやすいと考えていたのだが…。相手のプレイングも上手く世界の壁を感じた部分でもある。
〈ウッウロボ〉
ウッウロボが4枚採用されているリストを多く見かけている。
しかし、当然ながら、ウッウロボは空撃ちができるカードではなく、コストとなるグッズが必要である。
無条件でコストにできるのは2ターン目以降のVIPパスのみで、コストの都合でロボを使えず手札が詰まるということが発生しやすい。
手札を消費するために採用しているカードで手札が詰まるのは本末転倒である。
そのため、採用枚数は抑え、他のカードに枠を譲ることでそもそも手札が詰まらないようにしたいと考えていた。
候補…トレッキングシューズ、フェザーボール、霧の水晶など…
トレッキングシューズは、フュージョンシステム以外でドローを進めることができ、感触は良かった。
しかし、そもそもポケモンが置けず、フュージョンシステムが強く使えないことが多かった。
そのため、ボールを増やすことに。
フェザーボールは初動でミュウVをサーチでき、中盤以降もハイパーボール以外のVmaxを持ってくる手段になる。
ハイパーボールは極力ドローを強くするために使いたいため、一枚で完結しているフェザーボールは使いやすい。
〈ロストシティ・おはらいグローブ〉
③で述べたようにサーナイトへのガードを下げてもよいと考えていたため、初めは2枚とも入れていなかった。
しかし、一回もマッチングしないとは考えにくい。
この2枚を採用せずに練習してみたが、ほとんど勝てなかった(特におはらいグローブが欲しかった)
2枚採用するだけで勝率が上昇し、引き分け以上に持ち込める可能性が高かった。
さらに、ロストシティはドラピオン(対ロスバレ)、おはらいグローブはサイコジャンプ(対ロスト)のために使用できるカードであり、サーナイト以外にも役割が持てるカードだったため採用。
環境読み的にはなしまで行くべきだったかもしれないが、実際はあって良かったカードたち。
(災いの箱とか思いつかんて…)
⑤大会期間の日記
8月8日
移動日。昼の新幹線に乗り関東へ。
池袋のカードシークレットでBO3形式の非公認を開催してくれていたため、参加することに。
大会参加者のほとんどが海外のプレイヤーだった。
4戦とも海外の方と対戦することができ、本番に向けいい経験を積むことができた。
ここで知ったことは対戦開始のタイミングで「Good Luck」という文化があること。素敵。
8月9日
練習日。お昼から高田馬場へ行き、関東の方と練習してもらう。
サーナイトを使ってもらうが、冗談抜きで0-6ぐらいした。
ミラージュステップから入り、リバーサルエネルギーが2枚あると勝てないね〜と再認識。つらい。
一度夜ご飯を挟み、ルギア、アルギラと練習。
横からプレイを見てもらうこともでき、非常にありがたい時間だった。
ルギアには本当に勝てなかったが、数も少ない読みだったので、やることやってお祈りするしかないなと思った。(雪道お祈り)
8月10日
チェックイン日。
前日練習の感じが不安すぎたため、急遽朝に練習に付き合ってもらう。
練習後はポケモンオーケストラへ。
めっっっっっちゃくちゃよかった。
当日除いてこの期間中一番良かった。
生でオーケストラ聴く機会が貴重な上、好きなポケモン関連をやってくれる。
幸せ。
ここで初めてみなとみらいに降り立ったこともあり、ポケモン一色の街を見る。
そんな街並を見ながら、選手として気持ちも上げつつチェックインへ。
色々なところで出ていると思うので割愛するが、行列が地獄。
大会期間中唯一めちゃくちゃ萎えた時間だった。
ヘトヘトになりながらホテルに戻る
8月11日
WCSDay1
朝8時半ごろに会場入り。
会場入った瞬間スタッフの方達が出迎えてくれてハイタッチ。世界大会に来たな!という感じがした。
知り合いが席を取ってくれていたのでそこで開会式を見守る。
「開会式は絶対見た方がいい!」と言ってくれていたが、見て本当に良かった。
(後から聞いたが、ロンドンでは開会式を見てると1回戦間に合わなかったという噂、怖すぎ)
その後一回戦へ(詳しい対戦レポートは割愛)
対戦は本当に楽しかった。
対戦相手はみな優しく、こちらがあまり英語を理解できていないのも含めて色々サポートしてくれた。
対戦中も対戦後、こちらの英語が未熟にも関わらず、一生懸命伝えると反応を返してくれる。
あと一枚引けていれば…という試合が多かったので、対戦相手も熱を持って「危なかったよ」ということを話してくれた。
言葉が完全に理解できていない状況でもコミュニケーションが取れる。
カードゲームの素晴らしさに触れた瞬間でもあった。
残念ながら3敗してしまった後は、知り合いと少し話したり、飲みに行ったり。
たまたま勝敗登録の場でサーニーゴさんと会い、同じデッキを使用したのもあって「頑張ってください」と応援できたのは嬉しかった。
8月12日
WCS Day2
この日は朝からトレードへ。
Day1で敗退した選手がトレードに来る読みで参戦。
自分が持ち込んだスリーブはこれら。
当然マネートレード希望が多いが、余ったスリーブが少しでも何か別のものに変わればいいな〜と思い、色々な人に声をかける。
日本のカードやスリーブとたくさんのプレイマットを交換してもらった。
特に嬉しかったのは、WCS2014とギラティナのプレイマット。
どれも愛用していきたい。
昼からは人が増えすぎたのでトレードは切り上げ。
観戦したりしながら夜は知り合いと中華街へ飲みにいく。
初見の人ともたくさん話すことができて楽しい時間になった。
8月13日
WCS最終日
決勝戦は生で見たかったため、朝から行くつもりだった。
ポケセンで買った荷物を段ボールにまとめ、ホテルから発送し、キャリーケースを預ける。
どちらも行列で少し大変だったが、なんとか済ませ会場へ。
カードの決勝戦、ゲームの決勝戦、全て最高のゲームで叫びまくりだった。
特にゲームの全部門日本人優勝はひっくり返った。
その後の閉会式も新情報満載で叫ぶ。
来年はホノルル。純粋にハワイに行ってみたいのもあり、来年も世界大会に参加したい。
その後は晩御飯を食べ、新幹線に乗り帰宅。
おまけ
会場の様子などを写真で
⑥おわりに
初めて世界大会に参加することができました。
私はCSPで権利を取っており、今回の制度を含め、かなり運が良かったと思います。
まだまだ実力も足りていない部分も大きく、練習していて落ち込む時間もありました。
しかし、世界大会は、国も人も問わず、誰しもがポケモンカードを楽しめる場所でした。
等しくポケモンが好きで、ポケモンカードを楽しんでいる人たちがたくさんいる素敵な空間だったと強く感じます。
選手じゃなくても行きたくなる、そんな魅力がありました。
それでもやっぱり選手として、対戦する時間が一番楽しかった。
何度でもこの場所に来たいし、欲を言えばもっと勝ちたい。
この素晴らしい場所に戻ってこられるよう、次のシーズンも頑張っていきたいと思います。
謝辞
世界大会に参加するにあたって、たくさんの方にお世話になりました。
・世界レギュで自主大会を開催してくださった方
・練習に付き合っていただいた方
・構築について意見を交わしていただいた方
・プレイについて助言をいただいた方
などなど…
本当に周りの方に恵まれていたと感じます。
シーズンを通して関わってくださった全ての方に多大なる感謝を。
誤字・脱字、その他問い合わせなどありましたら、Twitterまでお願いします。