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酔いさましには自動販売機であたたかいコーヒーを。


年末の寒い夜に


自動販売機を見かけると


ふと、思い出すことがある。



子供の頃の年末の夜は



今日は会社の忘年会や


今日は学生の頃の友人と飲み会だったと言い



帰宅した父は酔っ払っていた。




とくに朝



今年一番の冷え込むようなことを


天気予報で言っていたような日は


だいたい夜


ピンポーン、ピンポーンと


しつこくインターホンが鳴る。


玄関を開けると


「酔いさましに、川で泳いで来た。」



と靴と鞄を持ち


髪から水がしたたり


コートもスーツもマフラーもシャツも


ビショビショな父が立っていた。


ポケットから


さっき自動販売機で買ったみたいな



熱々な缶コーヒーを出し


「はい。ただいま帰りました。」


と言った。


母が持ってきたバスタオルで


髪の毛を拭きながら


お風呂へ向かう。



いつからか


酔っ払っても父は川で泳いで帰らなくなっていた。



今思えば


当時の父は若いし


私にとっては


ずっとお父さんだけど


お父さんだからといっても


たまには友達とバカ騒ぎもしたいよね。


とも思う。


※大変危険ですので
くれぐれもお酒を飲んだ時はお風呂に入ったり
泳いだりしないようにお気をつけください。













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