白玉抹茶フロートは本を読むのに向かない
久しぶりに本を買った。
読みかけの本が数冊と、開いてすらない本が数冊、頭の中で見え隠れしていた(というか、ほぼ見えていた)けど、本を買った。
早速読みたかったのと、さらに無性に白玉を食べたかったので、本屋と同じ建物内にあったナナズグリーンティーへ向かった。レジで白玉抹茶フロートを頼んで番号札をもらい、店の奥も奥に、2人掛けの席が空いているのを発見。我が物顔で向かい、店内が見渡せない方の席に腰掛けた。
しめしめと買った本を開き読み始め、ほどなくして白玉抹茶フロートが運ばれてきた。
抹茶ラテの上につんつるてんの白い玉が3つと、いかにもな抹茶アイスがのった白玉抹茶フロートだった。
まずは白玉ひとつ。もちゃもちゃ食べる。若干抹茶の香りがしたがすぐに消えた。
本に戻る。ほー、面白い。クスクス。
あ、アイスも食べよう。ひとすくい。抹茶味。
本に戻る。あー、面白い。クスクス。
あ、アイス溶けちゃう。連続さんすくい。抹茶味。ちいさい氷の塊がまじっている。
本に戻る。
……アイス溶けちゃう。アイスは抹茶ラテの上でスプーンから逃れるようにぷかぷか回る。もう。回らないでよ。白玉ひとつ。もちゃもちゃ。
本に……
戻れない。
抹茶アイスがいつのまにか溶けて、抹茶ラテと融合してしまって、じゃあ最初から白玉抹茶ラテでよかったじゃん、なんて、ちょっと思いたくない。
連続さんすくい、よんすくい、ごすくい……
白玉抹茶フロートは、本を読むのに向かない。
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