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ストーリーが産む価値

三連休も終わり今日からまた平常運転。今日も気持ちが良い秋晴れ。朝子供を保育園に送るのに外に出た時いつもより肌に当たる風が冷たく感じた。昨日も閉店後外に出ると日中の格好では外に居れないくらい寒かった。気持ちが良いくらい快晴だと寒いという意識がなく着るものの選択肢を見誤る。

この連休に合わせMilitary ITEMの入荷があったわけだが、それについて少し基本的な話を今日は書いていきたい。

私は元々軍物を着るなんて戦争を肯定しているんじゃないかとかそんな思いがあって若い頃は避けていたりした。でもやはり古着を着ていると避けては通れない距離にいつもあるわけで色々と軍物の良さを知っていく事となる。

面白いのはFashionとして作られていない物をFashionとして着ているという所だろうか。POPEYE的に言うとUNFASHION ITEMである。ワークウェアなんかもそう。それを着たら格好よくなるようには作られていないので形は野暮ったいしサイズも大きいものが多い。

でも戦地で着るという事はそれなりのクオリティが必要であって命にも関わる大事な要素を担う。時には-40度の地に出向くこともあれば海の上だったり飛行機の中、陸上と様々な分野があり、それぞれで意味のある機能美に溢れた洋服が存在する。

軍服というのは全てに意味があって作られているものである。逆に言えば必要のないものは削ぎ落とされ、私たちが生活する上であったら便利な機能がなかったりする。またその逆を言えば日常で着るにはハイスペック過ぎる機能を持ち合わせていたりもするわけだ。

それがまた国ごとに存在していて面白い。特に分かり易い例を上げればアメリカ軍は全ての物にMILSPECという基準を設けていて、それをクリアしないと製品化されない。ある一定の基準以上でないと軍服として採用されないという事。それがクオリティを保ち続ける一つの大きな要素となっている。

今使われている生地の中にも元々軍用に開発されたものが一般化していたりダウンに変わる化学繊維なんかも軍用に開発された物が今市場に出回ったりしている。それゆえの機能であるがゆえに私たちのFashionをUPDATEしている事も事実。

手袋をしながらも下ろしやすいファスナーやボタン、着ていて暑くなった時にファスナーを下げて温度調節を行うベンチレーション、パイロットが着るためだけに作られているからお尻のポケットはないとか、生地が破れた時にそれ以上破れが広がらないように開発されたRipstop生地、ブーツを履く時や長靴を履く時ようにパンツの裾を絞る為に付けられたボタンやヒモ、パンツの上に更に重ねてはくパンツだからポケットが貫通していたり、寒冷地でもし洋服が凍ってしまった時に刃物と化さないよう襟が丸く作られていたりファスナーが肌に触れないよう当て布が施されていたり、いろんな考えられうる要素を想定し全てに意味を持ち一つの洋服が作られている。

洋服だけではなく戦争による経済成長や特需もあった事は悲しくも存在している。なんだが受け入れがたいがそれが今私たちが普通に使っている何かに用いられ当たり前のように日常に溶け込んでいたりする。本来そうやって使われる事なんて想定していなかった事が意外なところで役を果たす事がある事は面白い。

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