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自分の仕事を通して地球の為に出来る事は何なのか

もう何年も前から問われている事だけれどここ最近になってまた様々な方面から聴くようになった「サステナブル」。特にこのアパレル業界は環境問題も相まって切っても切り離せない関係にある。僕は新品の服も着るし古着も着る。そして古着屋のオーナーである。

服が多く作られ捨てられている。年間の衣類ゴミは何万トンです!みたいな話もよく耳にするようになった。洋服を作る過程で出るCO2であったり石油由来の繊維など環境を悪化させてしまう背景が服作りにはある。

僕は大きく二つの芯を持っていてまず一つは古着は着れるならどんどん再利用されるべきであるという当たり前のこと。2つ目は新品の服も作られ続けないといけないと言う事。ここが結構ややこしいんだけど悪い事を続けようとはもちろん言わないけどやはり作っていかなくてはならないのは間違いなくて、環境に配慮した形に変化しながら進歩していくべき。それと一番はやっぱりこれ以上国内の工場に無くなって欲しく無いというのもある。

日本の持つ確かな技術はやはり素晴らしいしこれからも残していかなくてはならないMADE IN JAPANの衣服がある。私はアパレル製造業で縫製工場と染色工場で勤めていたのもあり想いは強い。特に最初に入った生地の卸の会社では様々な日本の技術に触れ、素晴らしさを知り、悔しい思いもしてきた。

もう15年も前の話だけど素晴らしい技術を持つ工場さんがその時でさえ消えていってしまっていたのである。

古着というのは例えば、もう50年も前の服なのに現代で未だ着れる状態にあるものがあるわけでその製品の良さを証明してみせる。そうやって良い服が沢山作られていたおかげで今私たちの元には古着という文化がある。
スウェット一つとっても現代の服と比べても古着を着てる方が気持ち良い場合だってある。好きな人にとってたまらないのは経年変化による色落ちやダメージでそれが古着の醍醐味であって新品には出せない雰囲気を纏う。

多分新品が作られなくても古着で回せる分位の眠っている古着は世界中に山ほどあるだろう。今は汚れていたら黒く染め直して再度着れる状態にしたり、リメイクしてつなぎ合わせて新しく生まれ変わらせたり古着の活用方法も幅が広がっている。

私も実際に古着を買い付けに行って一個一個選んで買ってきてはお店に並べる前に洗濯やらのメンテナンスをしてお店に並べるわけだが、大体がかなり綺麗になる。

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そうやって手をかけてお店に並べ、お客様に買って頂き、また服が誰かに着られていくサイクルが作れるのでそれだけでもサステナブルではあるんだけど、僕が一つ心がけているのは値段と価値である。

探せば何百円で買える服もあるんだけどある程度仕入れ値が高いものしか買ってこないようにしている。ビジネス的には儲けは低くなるんだけど先の事を考えると僕はこれで良いと思っている。例えば僕が300円で買ってきて1500円で売ったとすると多分その服の寿命って長く無いと思っていて大事にされないし、特別な思い入れも無いまま、またどこかに流されていってしまう。

なので古着と言ってもある程度の値段がしてしまうものを買ってきてお店に並べている。シャツなんかでは売値で6500円から8000円がイメージで物によっては新品よりも高くなるだろう。

でもその分の価値をお客様に伝えご納得頂きご購入頂く。8000円で買ったシャツをそう簡単に手放さないだろうし安易には扱わない。大事にしようという気持ちは少なからずお客様に生まれているはずなのである。僕がやらなくてはいけないのはある程度長く着て頂けるようにする作業。持っている服を9ヶ月長持ちさせるとco2排出量を30%抑えられると言われている。

なので安売りはしない。ある程度価値のあるものを価値ある値段で売る事。ここを凄く大切にしている。安売りの連鎖は同じ事の繰り返しで結果また捨てられ廃棄され何も変わらないと僕は思っている。

でも最近もっとこの先にステップを広げていかないといけないなと考える事が多くなってきた。僕一人が何かを頑張って地球の為になれる事はないんだろうけどお店として示す取り組みはお客様を通じて伝染するだろうから何か道筋を定めたい。古着を通したサステナブルの新しい取り組みと洋服の未来を明るい物にする為に大好きな洋服を通して恩返ししていきたい。

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