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「AMラジオの電波が夜間に遠隔地まで飛ぶ理由と、ラジコプレミアムの普及との関係について」

Ⅰ「強出力のAMラジオ局が、夜間になると遠隔地でも聞こえるようになる理由について」

強力なAMラジオ局が夜間になると遠隔地でも聞こえる理由は、大気中の異なる層による信号伝播の変化に関係しています。これは「夜間伝播」として知られています。

AMラジオ波は、大気中の電離層に反射・屈折されることで伝播します。通常、昼間は太陽の光が大気中の電離層を励起し、この効果によってラジオ波が地球の曲面に沿って伝播します。しかし、夜間になると、太陽の光がなくなり、電離層が冷えるため、夜間伝播が起こります。

夜間伝播では、ラジオ波が地球と電離層の間で反射・屈折され、大気中を数百キロメートル以上伝播することができます。これにより、強力なAMラジオ局の信号が通常よりも遠くまで届くことがあります。この現象は、夜間にラジオの電波が地球を周回する「地球グローバルモード」によってさらに強化される場合もあります。

また、夜間には地上の雑音や干渉が少なくなるため、信号がよりクリアに聞こえることもあります。これにより、強力なAMラジオ局の信号が夜間には遠隔地でも良好な受信が可能になります。

Ⅱ「夜の早い時間帯と早朝の時間帯に遠隔地のAMラジオ局がよく聞こえる理由について」

夜の早い時間帯や早朝の時間帯に遠隔地のAMラジオ局がよく聞こえる理由は、大気中の条件が特に適しているためです。具体的には以下の点が挙げられます。

  1. 大気の安定性: 夜間や早朝には、大気の安定性が高まります。大気が安定すると、ラジオ波が途切れずに伝播しやすくなります。これにより、雑音や干渉が少なくなり、遠くの局の信号がクリアに届きやすくなります。

  2. 地上の活動の減少: 夜間や早朝には地上の活動が減少し、電気機器や車の走行などによる雑音が少なくなります。これにより、受信機が周囲の雑音を拾いにくくなり、局の信号がより鮮明に受信されます。

  3. 大気中の反射と屈折の特性: 夜間や早朝には大気中の反射と屈折の特性が変化し、ラジオ波が地球の表面と電離層を効率的に行き来することができます。特に夜明け前後は、大気の層が混合していないため、反射と屈折がより効果的に働く傾向があります。

これらの要因が組み合わさることで、夜の早い時間帯や早朝の時間帯に遠隔地のAMラジオ局がよく聞こえる現象が起こります。

Ⅲ「その一方で、夜の10時・11時頃に、AMラジオの雑音が大きくなり、遠距離AM局がよく聞こえなくなる理由について」

夜の10時や11時頃に、AMラジオの雑音が大きくなり、遠距離AM局が聞こえにくくなる理由には、いくつかの要因が関与しています。

  1. 大気中の状態の変化: 夜間になると、大気中の電離層の状態が変化します。昼間は太陽の光によって電離層が活性化し、AMラジオ波が効果的に反射・屈折されて遠距離に届くことがあります。しかし、夜間になると太陽の影響が弱まり、電離層が冷えて不安定になる傾向があります。この不安定な電離層は、AMラジオ波の伝播を不規則にするため、雑音が増加し、遠距離の局が聞こえにくくなります。

  2. 地上の活動の影響: 夜間になると、地上の活動が減少し、電気機器や車の走行などによる雑音が相対的に少なくなります。一見すると雑音が減少したように感じるかもしれませんが、一方で大気中の不安定性が増すことで、局の受信が不安定になる傾向があります。

  3. 電波干渉の増加: 夜間になると、他のAMラジオ局や電子機器からの電波干渉が増加することがあります。特に夜間は大気中の電離層が不安定になりやすいため、他の局からの電波干渉が局の受信に影響を与えやすくなります。

これらの要因が組み合わさり、夜の10時や11時頃にAMラジオの雑音が増加し、遠距離の局が聞こえにくくなる現象が起こることがあります。

Ⅳ「出力の弱いAMラジオ局が夜間になっても遠隔地で聞こえにくい理由について」

出力の弱いAMラジオ局が夜間になっても遠隔地で聞こえにくい理由には、いくつかの要因が関与しています。

  1. 大気中の不安定性: 夜間になると、大気中の電離層が冷えて不安定になる傾向があります。これにより、AMラジオ波の伝播が不規則になり、弱い局の信号が大気中で散乱されたり、屈折されたりする可能性が高くなります。その結果、遠隔地での受信が困難になります。

  2. 大気中の雑音と干渉: 夜間になると、他のAMラジオ局や電子機器からの電波干渉が増加することがあります。出力の弱い局は、この雑音や干渉に対して十分な強度の信号を発信していないため、他の信号に埋もれてしまいやすくなります。そのため、遠隔地での受信が困難になることがあります。

  3. 周波数の競合: 夜間になると、電離層の状態が変化し、周波数が競合する可能性が高くなります。出力の弱い局は、競合する周波数の局によって受信が妨げられることがあります。その結果、遠隔地での受信が困難になることがあります。

これらの要因が組み合わさり、出力の弱いAMラジオ局が夜間になっても遠隔地で聞こえにくくなる現象が起こることがあります。

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