「誤って使用しがちな日本語の慣用表現について」
このイラストは、「実は使い方を間違えている日本語20選」と題して、日本語における間違いやすい表現とその正しい使い方を示しています。表は3つの列に分かれており、左側の列に表現の一部が書かれており、中央の列にはよくある間違った使い方、右側の列には正しい使い方が記されています。
1. 眉を〜
誤用: しかめる
正しい表現: ひそめる
解説:
「眉をひそめる」:これは、心配や疑念、嫌悪感を表すときの表現です。例えば、怪しい状況や不快な話を聞いたときに「眉をひそめる」と言います。語源的には、眉を中央に寄せる動作を表し、意図的に控えめな表現をします。
「眉をしかめる」:これは、強い不満や怒りを表すときに顔全体をゆがめることを指しますが、正確には「顔をしかめる」が正しい表現です。「眉をしかめる」とするのは、意味的には似ているものの、眉に限定する表現では誤用となります。
2. 熱に〜
誤用: うなされる
正しい表現: うかされる
解説:
「熱にうかされる」:高熱によって意識がぼんやりしたり、夢うつつの状態になることを指します。この「うかされる」という表現は、熱で浮遊感を感じる様子を意味します。
「うなされる」:これは悪夢にうなされる、つまり夢の中で苦しむことを指します。熱が原因で苦しむ場合、「うかされる」が適切です。
3. 火蓋を〜
誤用: 切って落とす
正しい表現: 切る
解説:
「火蓋を切る」:火蓋は昔の火縄銃の火を守る蓋のことで、「火蓋を切る」とはその蓋を開けて戦闘を開始する意味です。転じて、物事の開始を意味する慣用句になっています。「切って落とす」とするのは冗長で誤りです。
4. 念頭に〜
誤用: 入れる
正しい表現: 置く
解説:
「念頭に置く」:これは、何かを常に心の中で考え続けている、または意識していることを意味します。「入れる」ではなく、「置く」が正しい表現です。心理的に何かを念頭に置いておくという意味で使われます。
5. 体調を〜
誤用: こわす
正しい表現: くずす
解説:
「体調をくずす」:これは、健康状態が悪くなることを指します。「こわす」は物理的な破壊や壊れることを指すため、体調に対して使うと不自然です。
6. 汚名を〜
誤用: 晴らす
正しい表現: すすぐ/そそぐ
解説:
「汚名をすすぐ/そそぐ」:汚名とは、不名誉な評判のことです。それを「すすぐ」や「そそぐ」で清めて取り除くことを指します。「晴らす」は疑いを晴らす意味であり、汚名とはニュアンスが異なります。
7. 雪辱を〜
誤用: 晴らす
正しい表現: 果たす
解説:
「雪辱を果たす」:雪辱とは、以前の敗北や恥辱を晴らすことを意味します。「果たす」は、目的を達成することを指し、雪辱を晴らす行動を表します。「晴らす」は文脈的に使われることがあるが、「果たす」が正確な表現です。
8. 心血を〜
誤用: 傾ける
正しい表現: 注ぐ
解説:
「心血を注ぐ」:全身全霊を注いで物事に取り組むことを意味します。「傾ける」は情熱や愛情を傾けるときに使う表現で、心血に対しては「注ぐ」が正しい表現です。
9. 脚光を〜
誤用: 集める
正しい表現: 浴びる
解説:
「脚光を浴びる」:注目を集めることを指します。「脚光」とは舞台の照明のことです。「集める」ではなく、脚光を直接浴びるという意味で「浴びる」を使います。
10. 食指が〜
誤用: そそる
正しい表現: 動く
解説:
「食指が動く」:これは何かに興味や欲求が湧いてくることを指します。「そそる」は興味をかき立てるという意味で、動作を表す「動く」が適切です。
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