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男のプリン

僕は料理はしません。というかできません。
ただ憧れがあって、それがチョットややこしいのですが料理のできる父親ってことでもなくて
月に1度2度くらいキッチンに立ち、決まった料理だけを作り
なんか子どもたちがそれを楽しみにして、嫁が「アタイ毎日作ってるのに、悔しいわぁ」みたいな感じになりたいんです。

何かひとつオヤジの味ってヤツが欲しいんです。

ということで始まりましたオヤジの味をさがす旅、第1回はプリンです。
希望としては固めのグミくらいに噛みごたえのあるプリンにしたいです。

ネットで調べると無数にレシピが出てきたのですが、いくつか見て
一番専門用語が少ないやつにしました。

というか知らなかったんですけどプリンってこんなに材料少ないんですね。ビビりました。
砂糖と卵と牛乳だけで構成されてました。
こんなにシンプルなんですね。
そのシンプルさは難しそうなギターを弾きながら歌ってる3人編成のバンドみたいです。もはやブランキージェットプリンと呼べます。

買ってきました。

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とりあえずスーパーで1番高い卵
そして値段は別に高くないけど誰も説明できない謎の数字が一番大きい4.4という牛乳
つかあの数字なんなんだよ。って改めて思いました。
あと、見た目のフォルムでレジ直前までナンプラーを買い物カゴに入れていてギリで気づいたバニラエッセンス
グラニュー糖と砂糖。


砂糖は家にあったんですけど

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なんか半分の量で何ちゃらとか書いてあって、レシピ通りにやったら甘くなりすぎるような気がして買い直しました。
僕みたいな素人に、この砂糖は余計なお世話以外のなにものでもありません。


プリン用のマグカップも110円均一で買いました。100円均一と言わないところに性格の悪さが滲み出てます。
家にあるやつ割ったら隠蔽工作はしますが、バレたら嫁に怒られるかもしれないので購入。


さあ作るぞって思ったらいきなり壁が。
グラニュー糖40グラムってレシピに書いてあるのですが、どうやって計ったらいいのかわからず。ネットで調べました。
なるほど大さじ4杯かぁって思って入れてみたら
「え?なんかすごい量なんだけど」ってなりました。

不安になってもう一回見てみると
え?どういうこと?何で砂糖とグラニュー糖で大さじ1杯の量が違うの?
そんなことあんのかよ!同じ白い粉じゃんかよ。

「は?もう失敗してるんですけど」です。
まじでやってられません。


まあいいや食べるの自分だしって言い聞かせて続けます。
カラメルソースを作ります。

水、大さじ1杯にグラニュー糖40のつもりで60グラム。


煮詰めていくと、なんか色の良かった時期を通り越して取り返しのつかない色に
「もう俺、真っ黒だぜ」みたいな感じになります。もう醤油です。

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ここに「お湯を大さじ1杯追加して混ぜろ」って書いてあるから
言われるがまま、お湯入れたら油に水入れたくらいの勢いで軽い爆発しました。

まさかプリン作るくらいで火傷するとは思いませんでした。
しかもビックリした勢いで爪楊枝を床にブチまけました。

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早くも2度目のやってられない感情に襲われます。


よく見たらレシピに「はねるので気をつけてください」って書いてありました。
レシピと契約書はよく読まなければなりません。


そしてカップに移して冷まします。


次は牛乳350ml にグラニュー糖60g を混ぜて温めます。
で、卵3個って書いてあったけど残っても困るから


5個入れてやりました。僕はサイン無視して盗塁しちゃうタイプの男なんです。

「泡立たないように優しく白身を着るように混ぜて」って書いてあるんですけど全然混ざりません。


高い卵は黄身が強すぎました。裏目に出てます。

結局、キレて強く泡立つくらいに混ぜて、先ほどの温めた牛乳と合体させます。
そしてバニラエッセンス5滴。
料理しない僕からしたらこの5滴って意味あんのかよって感じですが。
この5滴のために買ったと思うと若干ムカつきます。


そんでこれで漉します。この漢字が読めなくて「シカって何だよ!」って思ってたんですけど「こします」でした。


それをマグカップに流す。もうプリンの色してる!

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こんなの写真に撮らなくて良かったんですけど何かエロかったんで一応。

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さあ仕上げに入ります。

アルミホイルをかけて

これを大きめの鍋に布巾を敷いて入れます。そこにマグカップの65パーセントくらいまで熱湯を入れて

「ごく弱火で20分蒸す」と。
ごく弱火って何だよ!?って思いながら消えるギリギリくらいの火に調整。


そのあとは火を消してさらに10分。

おおお!テンション上がってきた。
「お前はプリンだ!」と怪人に名前を付ける時の悪の組織幹部みたいな言い方を一人でしちゃうくらい。


あとは冷蔵庫に入れて半日から1日冷やします。

なので食べれるのはまた明日です。


そして、ここにきて気づきました。砂糖使わねえじゃんって。
キャベツはどうした状態です。
こういうときに使うんですね、キャベツはどうした状態って。

もはや誰も気になっちゃいないとも思いますがプリンを食べたいと思います。


万全の状態で食べるために24時間冷蔵庫で寝かしました。
冷蔵庫でグッスリ眠っているプリンをみて
「さあプリンよ。目覚める時間だ」


なんかいい予感がする。同じ屋根の下に24時間以上一緒にいたら特別な感情が芽生えてきました。
プリン以上恋人未満の「なんか気になるプリン」になっていました。

プリンを食べるためだけだけに、ちょっとしたパーティーに行くためくらいの正装をしました。
5年前に買ったものの使い道がなかった蝶ネクタイは今日のために眠っていたんですね。


なのにプリン。おまえってやつは。


まず固さ。めちゃくちゃ良かったです。市販されている固めのプリンよりも固かったです。
目標にしていた食べ方間違えると口が血だらけになるくらいの固さではありませんでしたが。

調べたところによるとプリンの固さは卵の多さに比例するようで、結果的にレシピを無視して多めに入れたのが良かったみたいです。


そして味。あれだけ砂糖を入れたはずなのにまったく甘くありませんでした。
これは卵を多く入れたのがよくなかったんですかね。次はもっと砂糖を入れないといけませんね。


そして今回の戦犯。カラメルソース。
ただでさえダメな味をさらに奈落に突き落とすマズさ。
これはもう焦げ過ぎてました。

煮詰めるときに「おおいい色!」って思ったところで火を消しても、鍋の余熱で色が変わっていきます。
早めの消火を心がけるのと、焦げたらマグカップに入れるなってことだと思います。
普通失敗してるカラメルソースを採用しませんが「これもなんかの縁だよな」って思ってしまいました。
友達同士で始めた商売が失敗する感じに似てます。


反省点がボコボコ出てきました。
今回の良かったところを1つあげるとすれば「固さ」でした。

控えめに言って、ぶっちぎりハチャメチャまずかったです!

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見た目はめちゃくちゃ良かったんですけどね


次は、というか次があるのかわからないですけど改善したいと思います。

なんか次はセンベイを作りたいなと思いました。
もはや勝手にしろよって話です。


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