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映画エッセイ

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映画が好きです。映画にまつわる話や映画のエッセイを書いています。
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#映画レビュー

映画『チャレンジャーズ』今年1番面白い映画

ルカ・グァダニーノ監督作品 映画『チャレンジャーズ』のテキストを寄稿させていただきました…

Fumi
3日前
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日々と少女映画 | オン・ザ・ロックとバービーと

時々訪れる実家の父親の不用意な発言に苛立ちと悲しさを感じることが増えている事に最近になっ…

Fumi
10か月前
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映画『イニシェリン島の精霊』自分の人生を問われる哀しくも美しい人間の物語

中年期以降の人間ならば誰にでも思い当たるであろう「誰かとの分かれ道を感じた瞬間」の寂しさ…

Fumi
1年前
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『ボーンズ・アンド・オール』最も気高い究極の愛の話

観終わって2日以上経っているのに未だにこの2人を思い出す。きっと私が何も手につかなくなって…

Fumi
1年前
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映画 『WANDA / ワンダ』 たったひとりありのまま生きた女性の悲しい逃避行

ある時代、ある場所にいた破滅的で孤独なたったひとりの女性の人生を覗き込む。 アメリカのざ…

Fumi
1年前
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1人とか2人で映画を語り合い、もっと映画が好きになる

つい先日、はじめてポッドキャスト番組にお邪魔して映画トークをしてきました。 映画仲間のヤ…

Fumi
2年前
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映画「わたしは最悪。」世界で1番最悪なわたしの人生も、全部まるごと引き受ける

この映画を観ながら、過去の自分の愚かな経験や行動もパッとしない人生もそんなに全然悪くなかったかもしれない、いいや、悲しくてムカついて後悔し夢でうなされたあのつらい出来事すら、本当はむしろ何ひとつ全部、私は忘れたくないのかもしれない。と思えていた。 自分の不注意で他人を傷つけたことも、欲にまかせてしまった誰にも言えないあの夜も、大人として恥ずかしい失態も、たくさんあったかもしれない。 でも、それだって消えて忘れる必要なんて、全然ないのではないだろうか。 ノルウェーの首都、

映画「マティアス&マキシム」近すぎて見えなくなるほどの、愛と優しさの物語

これは、同性同士の恋や、何か特別な恋愛物語を描いたものではない。 男や女なども全く関係な…

Fumi
2年前
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映画「偶然と想像」昔の終わらなかった恋愛を思い出す

映画「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督作品「偶然と想像」を鑑賞した。 パンフレットに…

Fumi
2年前
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映画「ドライブ・マイ・カー」時間をかけて考えることを肯定する

ニューヨーク映画批評家協会賞にて、映画「ドライブ・マイ・カー」が作品賞を受賞した。日本映…

Fumi
2年前
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映画 「街の上で」 下北沢という街と、あの頃の記憶

かつて下北沢という街で、それほど多くの時間を過ごしてきたわけではない。 そんな私でも、大…

Fumi
3年前
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映画「ノマドランド」旅、そして生きるということ

私が30代に入ったばかりの頃、立て続けに祖父母が亡くなった。 「人はいずれ死ぬ」という、誰…

Fumi
3年前
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映画 「Buffalo '66」私の青春にヴィンセント・ギャロ

映画「バッファロー’66」が20年ぶりに劇場で再上映されている。私の家の近くのミニシアター…

Fumi
3年前
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映画「燃ゆる女の肖像」 生きづらさの中で全うする、女性の愛と生の物語

気がつけば異世界へ引きづりこまれ、観た後にはまるでひとつの美術作品をみたかのような錯覚に陥った。 「どこまでも美しい作品」その一言に尽きるほどに、どの角度から観ても「完璧」で、研ぎ澄まされ、とても繊細な作品だった。 2021年2月5日、近くのミニシアターでようやく公開となり、以前からずっと心待ちにしていたこの作品を鑑賞しに、私は出かけた。 一方で現在、女性のequalityを求めるムーブメントが日本で起きている。各国の大使館からは「DontBeSilent (沈黙するのは