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思い通りになる恋人なんてつまらない、と納得できる映画。「ルビースパークス」
理想の恋人が目の前に現れたら?
そしてその人が自分の思い通りになったら?
それは嬉しい!
と思っちゃいそうですが、
この映画を観れば、そんなことないって気づけるはず。
主人公の男の子カルヴィンは、有名な小説家ですが、そこはかとなく冴えない男。
初めて出版した本がヒットを飛ばしたことで、神童として崇められますが、次回作が全然思い浮かばずスランプ状態…。
そんなとき、夢に出てきた理想の女の子、ルビースパークスを小説にすることを思いつきます。
気晴らし程度に書いた小説だったのですが、ある日帰宅すると、本物の、動く、ルビースパークスが…!!
というファンタジーな恋物語なのですが、物語は意外にも深い考察にわたしたちを誘います。
ストーリー前半はとにかく可愛い!
映像全体の色のトーンも明るく、
可愛らしいルビーの魅力もビシバシ笑、伝わってきます。
ところが、
段々自分のコミュニティを作り、人生を楽しみ出す(といっても絵画教室に通うとか友人と飲みに行くくらいなんですが…)ルビーに、自分の元を離れてしまうのではないかと、強い不安を覚えてしまうカルヴィン。
禁断の手段に出てしまいます。
そう、彼はルビーを意のままに操れる。
小説を書くことで……。
ここから先はわたしの個人的な感想で、思いっきり内容を話してしまいますが、
思いつめたカルヴィンがルビーに次々と命令する(小説を書く)シーンは、物凄い狂気を感じるとともに、あまりにも切ない。
大好きな人が、自分の書いたとおりになる。
笑え。泣け。犬になれ、家を出るな。
悲しいのに笑う。はしゃぐ。
大好きと叫ぶ。愛してると叫ぶ。
思い通りになったって、
大好きなその人は、もう、そこには確実にいない。
わたしは常々、人は思い通りになんてならないんだって思っていて。
わたし自身が自由が好きで、束縛を嫌う性格だからかもしれませんが、
人に他人の自由を奪う権利なんて、ないでしょ!
と心から思ってます。
だから、主人公カルヴィンの好き故に崩壊していく姿は、男性批評家の方は、男って可愛いしょうもない生き物だ…といったコメントを寄せられてましたが、
そんなの自信のなさの裏返しで、本人がもっとがんばってそのコンプレックスを埋めないと、、!
しっかりしなさいよねー!
とルビーに感情移入しまくりのわたし。笑
最後にはカルヴィンもそれに気づいて、ルビーを自由にするんですけどね。
思い通りに出来たって、その人がその人らしくいれないなんて、悲しい。ってことに、カルヴィン自身が気づき、成長したのだと思います。
この映画を観たら、恋人や家族や身近な人のことを、ちょっと許せるようになっているかもしれません。
デートムービーにおすすめです。
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