宇宙人との共存👽
『宇宙船の落ちた町』
著 者:根本 聡一郎
出版社:角川春樹事務所
《著者》(本書より)
福島県いわき市出身、仙台在住。東北大学文学部卒業後、NPO活動と並行して小説を執筆。他著者に『プロパガンダゲーム』『ウィザードグラス』などがある。
《内容》(「BOOK」データベースより)
「宇多莉町には何もない」。住民が揃ってそう口にする田舎町で生まれ育った青砥佑太は、十四歳の夏、裏山で巨大な宇宙船の墜落を目撃する。十年後、宇宙船に乗っていた異星人は地球社会へと徐々に溶け込み、佑太は近隣の大都市・舞楼市に移住して無気力な生活を送っていたが、彼らの関係性は「あるアイドルの握手会」から劇的に変わっていく。過去と未来、共生と排斥、都市と辺境、世界と自己―人が自身と異なる存在とどう向き合うかを描いた物語。
宇宙船が墜落したことにより、平凡な日常が一変する。
宇宙船の墜落=災害
として捉えてみると、現代社会でも起こりうることだと思います。
物語では、年月が経つと人々は宇宙人を受け入れていくのですが、
現実世界で考えてみると、
本当に宇宙人がいたとして、地球に仮に「観光」目的で訪れたとしたら、私たち人間は受け入れるのでしょうか。
宇宙人が地球に住めば、宇宙人から地球人になる訳で、人間はそのことを受け入れるようになる気がします。
「受け入れる」というより、それを「異常である」と思わなくなると思います。
今でさえ、外を歩いていると、コロナウイルスの影響でマスクをしている方のほうが多いですが、3ヶ月前にはそんなこと無かったですよね。
収束がつかなれば、それが「当たり前」のことだと思えてきそうで怖いです。
つくづく人間の、日本人の、適応能力は凄いなーと思います。
本書はSF小説ですが、現実世界にも通じる部分が多いと感じた作品でした。
毎日書評 89日目担当
皇學館大学 3年 とまと
honto
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