忘れてく 笑っちゃうくらい 思い出を

察するに、もはや私の脳みその空き容量がだいぶ少ないのか、あるいは来るべきときのために余力を残そうとしているのか、真実は分からないけれど、とにかくまあどんどん思い出とやらが抜け落ちていく。他者が覚えていることを私がまったく記憶していないのはザラで、ゆえに気まぐれに同窓会になど出席したおりには、なんやかやのイベントごとがあったことのほとんど全てを「どうやらそういうことがあったらしいぞ」という姿勢で聴くことになる。

最近はそれが特に顕著で、思い出どころが予定まで忘れる始末。取り繕うのが大変である。過去も未来も忘却しようとは、我が脳ながら面倒くさがりなやつだな。

細かな思い出は忘れていってしまうが、家族であったり友人知人とのだいたいの関係性はなんとなく分かっているので、目下進行している現在の私においては別段差し支えはない。それにしても、なんとふわふわと頼りない結び付きだろうか。

しかし、忘れてしまった膨大な数の思い出が、それでも私を、私以外の世界と繋げたのも確かなんだろう。たとえ一年前の今日、あなたと何を食べ何を話したかを忘れたとしても。

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