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いただきますカンパニー9周年の日に

いただきますカンパニーは、2012年3月20日に開業しました。翌年株式会社化しましたが、私にとっては、個人で始めたこの日が記念日です。

ベンチャー企業の10年生存率は10%にも満たないと聞くので、これまで生き残ってこられたことは奇跡のようです。ただ、始めた時から、この仕事は必要とされているし、必ずうまくいくという、根拠のない自信があったので、個人的には当たり前のような感覚でもあります。

驚くべきは、飽きっぽい私が、これまで全く飽きることなく、この仕事を続けてこられたことです。それは、形が見え始めた段階で、それを引き受け、クオリティを高め、継続できる仕組みにしてくれる仲間がいるからです。私は、思う存分、道なき道を切り拓くことに集中できました。飽きる暇はないし、好きな事だけやっていられるので心地が良いわけです。何を成し遂げたかということよりも、自分にとって心地よいプラットフォームが出来たことが、何よりの成果だったのだと思います。

ちょうど準備していた商品がコロナ渦にマッチして、大打撃を受けた観光業界の中でも、何とか生き残る事ができているのは、常に新しい事に挑戦し続けていたからです。

ただ、子どもが成長し、会社も落ち着いてきて、周りを見渡す余裕ができてから、この数年、心の内は穏やかではありませんでした。自分より若い起業家がどんどん現われ、素晴らしい業績を上げているのを目にし、焦る気持ちでいっぱいになっていました。負けず嫌いなので、ただ悔しかったのだと思います。だからと言って、今ある環境の中でできる事にも限界があり、もどかしさと自分の無力さに、ただ押しつぶされそうになっていました。

40歳になった2020年の終わりから、そんな至らぬ自分を受け入れながら、少しづつ気持ちを整理する作業を進めていました。

私がずっと目指していたのは、売上でも利益でもなく、私が私らしく、心豊かに生きること、それを思い出しました。歩みは遅いかもしれないけれど、変化の多い時代にあっても生き残れる柔軟さとたくましさを持っていれば充分ではと思うようになりました。

観光客に畑を案内することが仕事になっている
学校に食育授業に行くことが仕事になっている
畑ガイドのノウハウを伝える事が仕事になっている

畑で打合せをしている時、お客さまと接している時、これを仕事にして生きていられるなんて、奇跡のようだと、幸せを感じます。これが仕事になるなんて誰も思わなかった、そんなことを事業として9年も継続してきたという事は、他と比較する必要のない価値ある事なのだと思えるようになりました。

3才と5才の子どもを抱えた起業経験のない自分が食育を仕事にしたいと言った頃の事を思い返すと、ただただ危なっかしくて、恥ずかしい限り。でも、私の周りには、応援してくれる人、温かく見守ってくれる人がたくさんいました。そして、共に歩いてくれる仲間がいました。

だから私は、ただただ、行動する人を応援する人で在りたいと思っています。私がそうしてもらったように。そうやって生きていれば、きっと次もまた良い1年になるでしょう。

破天荒な私に信じてついてきてくれた社員のみんな、支えてくれた家族、温かく見守ってくれた沢山の方々、私たちを必要として下さる生産者や旅行関係の方々…関わる全ての皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです。

2021年は、良い風が吹いています。10周年を、どうぞお楽しみに!!

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