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アフターコロナを考える

新型コロナウィルスの騒動で社会が大きく変わりました。アフターコロナはどうなるかという議論も多くされています。私が経営する「いただきますカンパニー」は農業を観光という手段で伝える事を本業にしています。つまり、観光業です。

「来るな」とか「来たことを後悔させてやる」なんて発言を聞くと、観光業の存在自体が否定されたような気がして本当に悲しい気持ちになっていました。北海道の休業補償も期待していたわけではなかったけれど、施設のない私たちのような体験事業者は該当しない、と言われると、仲間外れにされたような、存在を認められていないような悲しい気持ちにもなります。農家さんたちからの「いただきます大変だから、今年は何でも言うこと聞くぞ」という言葉や、お客様からの「落ち着いたら行きますね!」のメールに励まされて前を向いている所です。

最善を願い、最悪に備える

星野リゾートの星野社長が、マイクロツーリズム(30分圏内の観光)からの復興とお話されていました。その通りだと思うからこそ、今までお客様の6割が道外、3割が海外、という状況だったため途方に暮れていた、というのが正直なところです。これまで作り上げてきた仕組みに自信はありますが、このままでは立ち行かないのが目に見えています。仮に緊急事態宣言が5月末で解除されたとしても、今年は道内客、来年が国内客、海外客は再来年という所でしょう。秋には修学旅行の仮予約がいくつか入っていますが、確実に来られるという補償はありません。(子どもたちの為にも、安全に来られることが一番ですが)

Hope for the best and prepare for the worst.
最善を願い、最悪に備える

この言葉を肝に銘じています。夏には観光が復活し、秋には修学旅行が来て、来年はオリンピックが開催される、そうなるに越したことはありません。そうなるように、私は毎朝神頼みをしているわけです(笑)
※5月10日から毎朝facebookで北海道神宮の参拝LIVEを配信しています。

でも、経営者としては、そうならなかったら…という事を想定しておく必要があるわけです。もう、最悪です。こんな仕事辞めた方がいいんじゃないかと何回も考えました。しばらく思考停止していたのも事実です。

それでも、心と身体が整ってくると、自然と前向きな気持ちになってきました。さあ、この状況でどうするか、です。

黙って事態が回復するのを待つ、という選択肢は、私にはありません。

オンラインで生きるのか

オンラインでの畑ガイドツアーはやってみようと思っています。それ自体でマネタイズするイメージは今の所できないので、あくまで広報の手段と考えています。でも、やってみることで、もしかしたら新しい境地が見えるかもしれません。Youtubeチャンネルを作ったり、個人的にLIVE配信をしてみたり、できることからチャレンジしています。他社のオンラインツアーに参加して、何となくイメージもできてきました。楽しいツアーを作ることはできそうな気がしています。

でもこれは、あくまでこの状況の中で今どう動くかということ。真剣に考えなければならないのは、来年以降、どう生きていくのか、です。

考えた結果、オンラインでの発信はあくまで広報手段のひとつである、という結論になりました。結果として多少マネタイズできればラッキーくらいです。だって、「生産現場に来て、見て、感じてもらう」ことを仕事にしてきたわけですから。自分で感じることの意味を伝えてきたわけですから。オンラインでできることと、オフラインでしかできないこと、その違いや価値を、私たち自身がしっかりと理解しなければなりません。私たちは、オフラインの価値を高めるという方向で頑張りたいわけです。もちろん、オンラインは手段として上手に使いながら、です。

色んなことの境界線が、さらに曖昧になっていく

これはコロナの前からでしたが、この騒動で一気に加速するでしょう。在宅勤務で、プライベートと仕事の境界線が曖昧になりました。これに限らず、様々なものごとの境界線が曖昧になっていくと、私は考えています。

ワーケーションという言葉が出始めていました。これはワークとバケーションの融合です。テレワークの一般化で、さらに進むでしょう。

私は札幌と帯広の二拠点生活をしています(今はコロナで札幌に引きこもっていますが)。都会のリスクが明確になり、オンラインの浸透により地方に住むデメリットが減少しました。オンライン講演やオンライン会議の浸透は、地方在住者や子育て中の女性など、今までハンディを抱えていた人にとって大きなメリットとなります。都会と地方の格差も、曖昧になっていくでしょう。これは私にとってチャンスでしかありません。

観光と仕事の間

観光で言えば、「本物の」「特別な」という事が大事にされるようになってきていました。コロナで移動リスクが高まった中、今までのような発信、今までのような体験では人が来てくれなくなります。より特別な、より本物のの体験しか残らなくなるでしょう。

今、うちの社員はガイドの仕事がないので農家バイトに通っています。キツイけれども初めての体験に毎日ワクワク楽しそうです。これこそ本物の体験です。でも、外から来たゲストが簡単には農家バイトをやれない理由もあるわけです。その間に畑ガイドが入ることで、農家もゲストもwinwinな新しい本物体験が出来上がるのでは、なんて今は考えています。

観光と暮らしの間

自粛生活を体験し、ホームを快適にしようとした人は多かったのではないでしょうか。暮らしを豊かに、という概念は今回を機に急速に広がっています。今まで余暇に使われていた時間やお金が、暮らしの豊かさに振り向けられるでしょう。もちろん、自粛疲れや政策での観光需要は伸びるとは思いますが、あくまで一時的なものと考えます。観光はより特別な体験へ、それ以外は暮らしの豊かさへ時間もお金も使われる、という大きな変化が生まれてくると考えています。少なくとも、私はそうです。

ステイホームと言われ、テレビ(壊れたまま使っていた)とソファ(狭くて全員座れなかった)を買いました。おかげでリビングで家族で過ごす時間が増えました。外に出るばかりで、家を快適にするという事をおろそかにしていたと反省しました。

観光はゲスト向けのサービスです。私たちは、北海道らしい体験を提供しています。そうであれば、今住んでいる人たちも、もっと北海道らしさを日々感じられる暮らしができたらなと思うわけです。多くの人が想像する田舎暮らし的な生活は、手間暇や人脈に依る部分が大きいだけに、理想で終わってしまう事が多いのです。せっかく素晴らしい場所に住んでいるのだから、仕組みやサービスで解決できたらと思います。そのために私たちができることもあるのでは、というのが今考えていること。

これからやること

よしやるぞ、という気持ちを整理するために、このnoteを書きました。状況も気持ちも変わるので、次はまた違う事を言っているかもしれません。それでも良いと思います。大切なのは、考えること、行動すること、挑戦することです。

秋に新しいプログラムをリリースするために、素材撮影を進めています。新規事業の計画のために情報収集を進めていますが、想定されるお客様にアンケートを取るなどもしてみようかなと思っています。

編集者さんから目次案を頂いたので、本の執筆も進めないと。やること意外に多いですね。がんばります^^

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