刺激と付きあう

一言にADHDと言っても、色んなタイプの方がいます。
多動でずっと動きまわっていて、スイッチが切れたように寝落ちしてしまう人。
いつも頭の中にモヤがかかった様な感覚があって、終日ボーッとしている人。
いつも怒っている人。いつもニコニコしている人。
ずっと喋っている人。逆に全く喋らない人。

全く逆のタイプの様ですが、どれもADHDです。

私は多動、衝動、不注意の3つの特性をあわせ持つ混合タイプです。
特に、不注意傾向が強く出ています。
ボーッとしてしまう事が多く、何か意図的に刺激を入れないと、一日中頭が働かなかったりします。
コーヒーを飲んだり、テレビを観たり、話をしたり。ツイッターも刺激になっています。
でもどの刺激にも慣れてしまって、反応しない時は、簡単なゲームをする時もあります。

でもこの刺激の入れ加減が難しくて、そちらの方に集中してしまい、時間がたつのも忘れて夢中になってしまいます。
ゲームなどは気持ちを強くしてから始めないと、本当に何時間もやり続けてしまいます。
時間を決めて、止める時は絶対止める、と決めてから始めます。15分程スマホでゲームをすると、モヤがかかった様な重い頭がスッキリします。
ゲームは、かなり強い刺激があるのでしょうね。

刺激に弱いのに、刺激を求める。
これは、ADHDの特性です。
始めたら止められません。興味がある事に対しては強すぎる集中力を持ち、寝食をも忘れさせて、時に人を壊してしまいます。
けれど、刺激が無ければ、ADHDの人は自分を動かすことが難しいのです。

刺激に過敏な方も多いと思います。
人の脳には、必要な情報だけを得られる様に、フイルターの様な機能があるのだそうです。
私は、そのフィルター機能が壊れています。
発達障害の方は、同じ様に刺激に過敏な方が多い様ですね。
五感が感じる刺激はダイレクトに脳に伝わります。
音などは洪水の様です。
ゲームセンターやパチンコ屋さん等にはとても近寄れません。

短時間ゲームなどで刺激を受けると、常に寝起きの様なボンヤリした頭がスッキリします。
とても気分が良いです。そんなにスッキリした覚醒状態になる事はめったにありませんから。
でも、その状態は長くは続きません。
しばらくすると、また頭が重く、眠い様な、何とも言えないボンヤリした感覚に戻ります。

また刺激が欲しくなります。

危険ですね。
刺激により気分が良くなり、スッキリした覚醒状態を一度経験すると、またあの感覚に戻りたい、と思うようになります。
何かする事があって、その事に集中困難である為に刺激を与えて覚醒状態にしたのに、その覚醒状態の心地よさに慣れてしまって、それを持続させる為にさらに刺激を求めてしまうのでは、本末転倒です。
人が壊れてしまうかもしれません。

でも、わかって頂きたいのが、ADHDの当事者の場合、本当に刺激が無ければ動けない時があるという事です。
翌日までに仕上げなければならない仕事があっても、どうしても集中出来なくて間に合わなかったり。
明日はテストなのに、どうしても教科書を読むことに集中出来なかったり。
集中したいのにどうしても出来ないのは、とても苦しいです。

自分が嫌いになります。

上手くコントロールして刺激を上手に与えてやれば、スムーズに活動できる助けになると思います。簡単な事でいいのです。
てっとり早いのが、コーヒーを飲む事とガムを噛むことです。
ただし、コーヒーは過敏な方だとカフェインで手が震えたり、動悸がしたり、お腹を壊したり、夜眠れなくなったりします。そういう方はコーヒーを飲むのはやめた方がいいと思います。
そうでなければ、コーヒーはスッキリ感を得られる飲み物ですよね。
ガムを噛むのも良いです。ガムを噛みながら作業すると、集中しやすいです。
音楽を聴きながら、というのも良いですね。
お子さんで、音楽を聴きながら勉強するととても捗る、という方もいらっしゃいますよね。
歩きながらする、というのもいいかもしれません。

どれも、俗に言う気分転換と呼ばれる方法ですね。
ADHDの方には刺激になると思います。
ご自身にあったものを探してみるといいですね。

私がよくやるのは。
これ、多分、向き不向きがあるので、おすすめするのもどうかと思うのですが。
あえて、複数の作業を同時進行するのです。マルチタスクですね。
発達障害の方は物事を一つずつしか出来ない、という特性を持っていらっしゃる方が多いかと思います。
でも、一つずつ作業していると、飽きてしまって集中出来ないのです。
なので、あえて複数の作業を同時進行します。
難しい事ではありません。
家事等を、一斉に始めて必ず全部終わらせるのです。途中で何をしているかを忘れてはいけません。
集中していなければ、忘れます。
私は不注意が強いADHDなので、気を抜けばすぐに何をしているか忘れてしまいます。
やっている事は全然大したことではない、普通に皆さんがされている事だと思うのですが、緊張感が違います。
終わった後の疲労感も一気にきます。

スマートフォンで刺激を受けるのも、コントロールが出来ていればいいと思います。
スマートフォンに限らず、デジタルに刺激を求める場合は、ルールが必要です。
マナーを守る事。時間を決める事。
自分に強く約束して下さい。
自分との約束が守れないのであれば、使わない方がいいです。

自分がどんな刺激に弱くて、どんな刺激を好むか。
どうやってコントロールするか。
ADHDの当事者の方には大事な課題だと思います。
刺激に溺れて自分を壊してしまわない為にも、
頭をスッキリさせてやるべき事を全うさせるためにも。
一度考えていただければ、と思います。

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