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やりたいんなら、そう言わなきゃね。

調べてみると、2013年のことだ。

この年の9月、東京オリンピック・パラリンピックの開催が決定した。メディアでは「おもてなし」や「アンダーコントロール」が話題になった招致プレゼンだが、個人的には猪瀬都知事の「ダイナミック♪」が印象深かった。

それはさておきぼくは、心密かに「観戦記を書きたいな」と思った。五輪が開催されるのは7年後。それまでになんらかの立身出世を果たし、どこかのメディアから観戦記の執筆依頼がくるようなライターになれたらいいな、と思った。なってやるぜ、と誓ってすらいた。

けれども2020年が訪れても、そんなオファーはどこからも届かなかった。結果的に五輪の開催は延期されたものの、翌2021年になってもやはりオファーはない。「ないかー。なかったかー」。軽く落胆して天を仰ぐ。なんの競技でもいいから、なにか書いてみたかった。いまでもつよくそう思う。

一方、オファーがないのは当たり前だったともいえる。なにしろぼくは、心密かに観戦記を書きたいと思っていただけなのだ。ぼくがそんな希望を持っていたことなんて、ぼく以外のだれも知らなかったのだ。そりゃあ候補の末席にも入れないだろう。書きたいんなら書きたいと、たとえ恥ずかしくても言っておかなければならない。

ということで、そろそろ言っておきたいと思う。


来年、サザンオールスターズのなにかを書きたい。

インタビューでも、ライブのレポートでも、過去作を振り返るレコード評でも、おのれの思い出を語るショートエッセイでもなんでもいい。書きたい。書きたい。とにかく書きたい。

来年にサザンオールスターズは、デビュー45周年を迎える。ニューアルバムを出すのかどうかはわからないけれど、全国ツアーに出るかはわからないけれど、たとえば国立競技場3DAYSみたいな、なにかしらの動きはあると思われる。ならば書きたい。ぜひ書きたい。ぼくが書きたい。

書くってやっぱり「本気で向き合う」だから、それをいつかちゃんとやっておきたいんですよね。それこそ40年以上にわたる熱い御礼をこめて。ぼくにとってはビートルズもクラプトンも、オールマンもリトルフィートも、スタイルカウンシルやスティーリーダンでさえも、入口にいるのはぜんぶ桑田さんなんです。