世間が狭いのか、視野が狭いのか
世間って狭いねえ、と思うことがあります。口にすることさえあります。
ほら、あっちを見てもこっちを見ても、ともだちばかりじゃないか。知り合いばかりじゃないか。東京に住んで、メディアに関係するような仕事をし、多少なりとも経験を重ねていくと、そう思いたくなる状況に置かれます。
でも、狭いのは世間ではありません。自分の視野が、狭くなっているのです。
そしてなにより怖いのは、「世間って狭いねえ」とニヤニヤしたがるひとは、たぶん「よのなかの広さ」を知りたがらず、ほんとに狭いところで狭いコンテンツを再生産していくことになるだろうな、というところ。
よのなかの広さに愕然として、「うわーっ。オレってば、なんにも知らないまんまこの歳まで生きてしまったよ。なんて広いんだ、世界!」と立ち尽くすこと。これにわくわくできるひとだけが、明日も明後日も10年後もおもしろい人間であれるんじゃないのかなあ。
世界は広く果てしなく、世間も広く果てしない。
そう思って生きていきたいです。