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あの人たちの最高傑作。

違うことを考える練習。

最近まったくそれができていないのだけれど、仕事の合間に毎日ここを更新するのは「違うことを考える練習」なのだと思う。とくにいまみたいに忙しい時期、帰宅して犬を撫でているときはともかく、会社でパソコンに向かっているとどうしても仕事のことしか考えられなくなる。しかもぼくには原稿に集中すると息を止めてしまう癖があり、必要以上にへとへとになってしまう傾向がある。って、これもだめ。せっかく書いてるんだから「違うこと」を考えよう。


えーと、オールマン・ブラザーズ・バンドというバンドがある。もう解散してしまったし、バンド名に冠せられたデュアンとグレッグの「オールマン兄弟」も、ふたりとも他界してしまったのだけれど、そういうバンドがかつてあった。バンドを一躍有名にしたのは、デレク・アンド・ドミノスの『いとしのレイラ』だ。あのアルバムにゲスト参加したデュアン・オールマンの奏でるスライドギターに、世界中がびっくりした。そして翌年に発表されたライブ盤『アット・フィルモア・イースト』によってバンドの人気と評価は不動のものとなった。けれどもその直後、デュアンはオートバイ事故によってあまりにもあっけない最期を迎える。

以降、『イート・ア・ピーチ』や『ブラザーズ・アンド・シスターズ』などのヒット作が続くものの、70年代中盤にはかつての勢いを失ってしまい、メンバー間の諍いも絶えず、解散と再結成をくり返すバンドになった。まあ、こうやって概略だけまとめると、ロックバンドあるある話だ。

でもね。

ぼくはほんとうにオールマンズが大好きなんだけれど、「いちばん好きな曲はなに?」って聞かれたら、たぶんこの曲を挙げると思うんですよ。

バンドの象徴だったデュアンが亡くなって、30年以上も経った2003年につくられた「Instrumental Illness」という、タイトルどおりのインスト曲。とくにこのライブバージョンはすばらしい。ツインリードのギターに注目が集まりがちな彼らだけれど、ツインドラムとパーカッションに意識を集中して聴いてみてください。ばけものみたいな曲ですから。


なんかねー、レイドバックの象徴みたいなオールマンズの最高傑作が、この時代(21世紀!)につくられたって事実は、ぼくにはものすごく心強いことなんです。

ふー、少しは違うこと、考えられたかな。