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「選ぶ」の先にあるもの。

第一回「前橋 BOOK FES」の開催が、1カ月後に迫っている。

前橋 BOOK FES、それは10月29日(土)と30日(日)に群馬県前橋市で開催される「本のフェス」である。正直なところ、どういうフェスになるのかぼくは、まだよく知らない。ただし、一般的な音楽フェスが「大勢のミュージシャンがやってきて、それぞれに演奏すること」を軸にしているのに対して、こちらのブックフェスは「大勢の作家がやってきて〜」を軸としたものではなさそうだ(それならば「作家フェス」になる)。作家さんや編集者さんのトークイベントも企画されているようだけれども、あくまでも主人公は読者なんだろう。

で、こちらのフェスでは現在、「前橋に送る本」を募集している。送られた本は会場に並べられ、来場したみなさんが手に取り、おしゃべりしたり立ち読みしたりするなかで、気に入ったものを持ち帰る(トレードする)ことになるのだそうだ。

というわけで本日、ぼくも「前橋に送る本」を選んでみた。

これねー。実際に自分で自宅の本棚から「送る本」を選んでみるとわかると思うけど、けっこうたのしいものなんですよ。「どんな人が読んでくれるのかなあ」とか、「どんな感想を持つのかなあ」とか、「これをきっかけにこの人(作家)のことを好きになってくれたらうれしいなあ」とか思いながら選んでいくのは。

仕事柄、いわゆる「選書」を依頼されることもあるのですが、書店さんにやってくる本好きな人たちに向けた選書と、こういう「フェス」にやってくる通りすがりかもしれない人たちに向けた本選びとでは、視点がずいぶん変わるんですよ。それはきっと「選ぶ」の先に、「渡す」があるからなんでしょうね。自分の好きな本を「選ぶ」のはどこか自己完結的な行為なんだけど、どこかのだれかに「渡す」ことを考えると、急におもしろくなるんです。

まー、それにしてもどんなフェスになるんだろう。前橋に行くのもはじめてだし、たのしみにしています。

第一回のフェスっていうと、やっぱり97年のフジロックを思い出すなあ。