相馬市の現在について。
相馬に住む方から、DMをもらった。
なかば古い友だちのような感覚でいるものの、その方と実際にお会いしたのは2回だけだ。おしゃべりした時間だって、トータルで10分間程度のものだと思う。はじめて会ったのは2017年の「相馬で気仙沼さんま寄席」。2度目に会ったのは翌2018年の「車で気仙沼まで行く」。いずれもほぼ日さんの企画によるものだ。
写真とテキストが残っていることはありがたい。相馬に住む方とは、味噌醤油の醸造元「ヤマブン山形屋」の看板娘、ヤマブン姉妹のおふたりである。
DMには、今年3月16日に福島県を襲った福島県沖地震についてのお話が書かれていた。2011年の3月11日、そして昨年2月の福島県沖地震(2021年)、さらに東北新幹線の脱線事故も記憶に新しい今年3月の地震と、相馬は3度のおおきな地震に襲われている。
とくに今回の地震は東日本大震災のときよりも(相馬市での)被害はおおきかったという。けれども地震保険は昨年2月の地震で適用されたため、今回は審査が厳しく、保険が適用されない例もあるそうだ。地元の旅館、飲食店、商店のなかには店を畳むところも増え、復興と生活再建のために前を向くことにも疲れ果てているといった内容のことが、そこには書かれていた。
正直な話をすると、東京も揺れたはずの3月の地震についてぼくは、ほとんど忘れかけていた。ウクライナの報道に接しすぎて、身近な誰かの痛みに対する想像力が鈍磨してしまったところがあったのかもしれない。できることは少ないけれど、教えてもらえてほんとうによかった。なにかを「する」前には、まず「知る」がないといけない。知らなければ、「しよう」という発想にさえ、至らない。
いまのぼくにできることといえば、ひとまずは義援金を送ること。
それからヤマブン姉妹さんへの直接的なサポートという意味では、ヤマブン山形屋さんの商品を購入すること(地震の被害により味噌の製造体制が整っていないため、醤油のほうがありがたいそうだ)。
そして受けとったDMのお話を、ここにこうして書くことくらいだ。
相馬はヤマブン醤油を使った「江戸一」さんのおすしも、ほんとおいしかったんだよな。