基本、ばかである。
先日、ダイヤモンド社のIさんから、「古賀さんはなんでそんなストイックに仕事をしてるの?」と訊かれました。もちろんこれは大人のIさんが失礼のないようにオブラートに包んでくださった言葉で、質問の真意は「古賀さん、なんでそんなに働いてんの?」です。
えーと、ですね。このへんの理由はもうはっきりしていて、怖いのですよ。あるいは、申し訳ないのですよ。
どのへんくらいからかなあ。自分が明らかに過大評価されていると感じるようになった瞬間があって、「いやいやいや、そりゃがんばってやってますけど、基本ばかですから、わたし」と腰を屈めて恐縮してしまう機会が増えてきたんですよね。自分のばかさ、自分のダメさ、自分の愚かさ、このへんは自分がいちばんよくわかってるつもりですから。自己評価が低い、って話とも違って、単純にばかなんです、これはどんなに取り繕っても。
それで過大なる自分の評価になんとか追いつこう、少しでもいいからギャップを埋めよう、そうでもしないと、期待と誤解をしてくださってる方々に、あんまりにも申し訳ないじゃないか。……という気持ちから、追い込み型の働き方になっているのだと思います。
うーん。書く前と、書いてる途中は気持ちも高ぶってそれなりに自信があるんだけど、書き終わった後というのはどうもいけませんね。それまで生活の中心にあったものが急に空っぽになって、胸のあたりがすーすーします。
はい、本日ひとつの大きな原稿を書き終えたのでした。
今年はあと何回、このすーすーを味わうんだろう。どうせ空くんなら、からだ全体が空っぽになるくらいの、虚脱の極みを味わいたいな。