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まるで起業をするように。

これはもはや、「本」でさえないのかもしれない。

いま書いている本の話だ。ひさしぶりに編集者以外の人と会い、お昼ごはんを食べながら少しだけ、自分の本の話をした。うまく話せないもどかしさがずっとついてまわる。なんの本なのか、どんな本なのか、誰にどう読まれることを望んでいるのか。声に出して説明しようとするほど、自分のこころにある「ほんとう」から離れていくような、むずかしさがある。

ただ、話しながら思ったのだけど、ぼくは本をつくっているというよりも、自分の「家」だったり、「ビル」だったり、もしかしたら「会社」をつくるようにして、いまこの本(ライターの教科書的なもの)に向き合っているのかもしれない。まあ、そのへんの感覚もやはり、完成したものを読んでもらうしかないのだけれど。



それはそうと、何気なくきのう確認したら、『嫌われる勇気』の Amazon レビュー数が3000を超えていた。

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Amazon では、1000のレビューがつくことも稀で、2000以上のレビュー数は、ほとんど見たおぼえがない。それが 3000オーバーなのだから、この本についてはもう、完全にぼくの理解を超えたところにいってしまった感覚がある。

内容には自信もあるし、大好きな本だし、間違いなく一生ついてまわる自分の代表作なんだけれど、やはり自分ひとりの本とは思えないのだ。岸見一郎さんとの共著であることを差し引いても。

そのへんの「わからなさ」がいま、家やビルや会社のような本をつくらせているのかなあ。

なんかね、ちょうど起業に向けて動き出したときみたいな気分なんですよ。この「ライターの教科書」にかぎっては。