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クリスマスと初詣。

もういくつ寝るとお正月。あと一週間でお正月。

のんびり過ごすときのようでいて、案外と正月は忙しい。たとえばわが家の現在がそうであるように、正月を前に大掃除に追われる家庭は多いだろう。年賀状を書く人もまだまだ多いはずだし、大晦日ともなれば紅白歌合戦や「ガキ使」や格闘技の特番を見ることが、なかば恒例となっている。そして年が明けたらお屠蘇を飲んで雑煮をつくり、おせちを食べ、お年玉を渡したりもらったりして、初詣に出かける。ここでああ、しめ縄を出すのを忘れてた、なんてドタバタしながら箱根駅伝を見たり、お笑い特番を見たり、ああ日本の正月だなあ、なんてひと息つく。休みのようでありながら、やるべき恒例行事が多すぎるのだ、日本の正月は。

しかし、これらの諸々がどんだけ「恒例」の「やるべき」行事なのかについては、ちょっと怪しい。たとえば大晦日の格闘技イベントが定番化したのは2000年以降のことだし、「ガキ使」だって2006年から。そして NHK 紅白歌合戦のスタートも1951年、つまりは戦後である。さらに言うと「初詣」というイベントさえ、明治以降に誕生したものだという記事を先日読んだ。

記事によると、江戸前期までの日本人は元旦には出歩かず、むしろ家や近隣の神社で年神様をお迎えする「年ごもり」の習慣があったのだそうだ。そして江戸後期になると、その年の恵方にある社寺に参拝する「恵方参り」や、21日の初大師や28日の初不動のように、各社寺における年頭の縁日に参拝する「初縁日参拝」がなされるようになった。「今年はじめての参拝」を特別視する習慣はあったものの、元旦や三が日に参拝する決まりはなかった。

それが正月三が日になかば限定した「初詣」になっていったのは、明治になり、官僚や公務員、軍人、会社員など、カレンダーどおりに働く人々が誕生して、三が日しか参拝する機会が得られなくなったことがいちばんおおきいのだという。さらにはそこに鉄道会社のキャンペーンも絡んでいたと。


詳しくはこちらの本に書いてあるそう(ぼくは未読です)。


いや、これ「初詣なんかインチキだ!」と言いたいわけじゃなくて、じつは「やること」の多い正月って、ぼくにとってはラクなんですよね。それに比べるとクリスマスは、なにをするにしても地に足が着いていないというか、上っ面をなぞっているだけというか、「やること」がよくわかんないままなんです。たとえば24日と25日、それぞれどんな気持ちでどう過ごすのか、みたいなところまで。

まあ、初詣さえ明治以降にできた根拠のうすい「おたのしみ」だとしたら、ハロウィンにせよクリスマスにせよ、あたらしい「おたのしみ」が日々のなかに増えることは大歓迎ですよね。

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犬ともこんなにあそべるし。