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彼らが解散しない理由。

先日、テレビを見ていたときのこと。

番組名やそれが語られたシチュエーションをすっ飛ばして書くと、ある方が松本人志さんに、「コンビなんてしょせん他人同士なんだから、解散するのが当たり前。ダウンタウンさんみたいに何十年も続いていることのほうが、もう奇跡みたいな話じゃないんですか?」という内容の質問をした。

これに対して松本さんは、自分が解散を考えない理由をこう説明された。

「優先順位の問題じゃないですかねえ。もちろんぼくらはプロですから、目の前のお客さんを笑かさなあかんし、テレビカメラの向こうにいるお客さんを笑かさなあかんのやけど、やっぱりぼく、隣の浜田が笑とるのがいちばん『おもろい』んですよ。いや、『なんとかアイツを笑かしたい』とかじゃなくて、ぼくは笑とる浜田が『おもろい』んです、単純に」

記憶のままにざっと書いているので正確な引用ではぜんぜんないけれど、だいたいこんな内容のことをおっしゃった。


まったく作家と編集者みたいだなあ、と思った。


もちろんぼくは松本人志さんみたいな天才ではないし、担当編集者に対して「なんとかアイツをびっくりさせたい」的な、ケチなモチベーションも持っている。けれども、ほんとに相手がびっくり仰天、平身低頭したからといって、それがうれしいわけではまったくない。自分のことをよく知ってくれているはずの編集者がびっくりすること。ただただそれが「おもろい」んだ。なんだかもう、「おもろい」以外の適切なことばが浮かんでこなくなってしまった。

「相方」ってことばは好きじゃないし、誰に対しても使うつもりはないけれど、そのリアクションがなにより「おもろい」と感じられる誰かがいるって大事なことだよなあ。

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思えばこのひとのリアクションも「おもろい」んですよ、ほんとに。