時事ネタを廃した先に。
いま、いちばん書きたくない話題は「急に寒くなった」である。
誰だって書けること、言われなくてもわかっていること、そしてなんら頭を使わず書けること。これらのネタに頼ってブログを書くようでは、さすがにライターとしてやばいだろう。ちっぽけながら職業人の自負として、ぼくはそういう毒にも薬にもならない時事ネタを、なるべく自分に禁じている。
だったら選挙の話はどうだろう。こちらも時事ネタではあるものの、毒にも薬にもならない話ではあるまい。むしろ猛毒になったり、妙薬になったりする可能性をもった大事なテーマだ。
しかしながら政治、そして選挙についてぼくは、「自分ひとりで考えたい」との個人的願望を持っている。みんなもそうすべきだ、と言うつもりは毛頭ない。ただ個人的な好みとしてぼくは、自分の暮らす国の政治を「自分ひとりで考えたい」のだ。
そんなふうにして、わかりやすい時事ネタを廃したブログを書いていると、ものの見事に書くことがなくなってくる。
もちろん、「いい原稿を書くコツ」だとか「上手に取材する方法」だとかのハウツーだったら、経験上それなりに書けるのだろう。けれど、まあ書いていておもしろい話でもない。「自分の知ってること」をあれこれ書いて、それで拍手されたとしても、そんなに心は盛り上がらないのだ。せっかくブログを書くのなら、自分の知らないことというか、書いてみるまで言語化できなかったなにかについて、書いてみたいのだ。だって「書く」って、そういうことなのだから。
言うまでもなく、これもひとつの時事ネタである。
「急に寒くなった」という時事ネタを入口に書いた、あれこれである。
晩ごはんとして食べたカツ丼で、胃が重い。
今週は忙しくなりそうだ。