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もう少しのノイズキャンセリング生活。

フリーランス時代、自宅近くのワンルーム事務所で働いていたときのこと。

ぼくは仕事中、けっこうな大音量で音楽を流すことが多かった。音楽をかけていたら原稿に集中できない、という人もいる。ぼく自身も、そういうときはある。けれどもそれは「音楽のせいで原稿に集中できない」のではなく、「原稿に集中できていないせいで音楽が聞こえる」と言ったほうが(ぼくの場合は)正しい。実際、原稿に集中しはじめると、どんなに大音量の音楽であっても無音になっていくものだ。ぼくは自分の集中度合いをたしかめる意味も込めて、ずっと音楽を流していた。

最近また、あのころに近い感覚が戻ってきている。

たとえば夜の7時くらいに、晩ごはんどうしようかなあ、なんて思いつつ原稿を書いている。その世界にすーっと入っていく。ふと時計に目をやると、夜の11時を過ぎている。いつのまにか、時間も空腹も通り過ぎている。そういうことが最近、頻発するようになった。音楽をかけていればきっと、無音になっていただろう。


長いこと書いてきた原稿にも、ようやく終わりが見えてきた。お盆までには第一稿を書き終える予定だ。そして9月の上旬には、推敲まで終わっている予定だ。もしかしたら推敲のため、何日かホテル合宿をやるかもしれない。

もう少し、もう少しだけ、ぼくのノイズキャンセリング生活は続く。いろんなものが充実している感じがあり、この感覚を最後まで失いたくないのだ。

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(このひとは先日、消防車にきゃーきゃー吠えまくっていました)