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8月が終わる前に。

明日は8月の最終日である。

盆の帰省という、ある種の国民的行事がストップしたこの夏。しかも、東京でのオリンピック・パラリンピック開催が重なった、いろいろイレギュラーなこの夏。8月らしい8月を過ごさないまま明日を迎えることになった多くのみなさんは、「えっ、もう8月終わるの?」と戸惑いをおぼえるところではないかと拝察する。

しかし先ほど、カレンダーを見たぼくはまったく逆のこと、つまり「えっ、まだ8月なの?」の声を上げた。気温や着るものを別にすれば、気分的には年末近く、せいぜい10月くらいのイメージで日々を過ごしているからだ。

理由はもう、わかりやすく「バトンズの学校」である。


この前の土曜日、第3講を迎えたバトンズ・ライティング・カレッジ。まだまだ3回だし、受講生のみなさんもようやく互いの顔と名前が一致するようになってきたくらいじゃないかと思う。起承転結でいえば、ぜんぜん「起」の時期だ。

けれども毎日みなさんの課題原稿に向き合い、ペンを走らせていると、もう何ヶ月や何年も前から「これ」をやっているような気がしてくる。おかしいなー、ぜんぜんゴールが見えないんだけどなーと。考えてみれば当たり前のことで、バトンズの学校とは『取材・執筆・推敲』と地続きの場所であり、あの本を書くのにぼくは3年もかけていたのだ。そりゃあ、ずっと「これ」をやってる感覚にも襲われるよ。


バトンズ・ライティング・カレッジの公式サイトには、こんな文言がある。

1×30ではなく、1×1 が30人分。

batons writing college は、定員30人を予定しております。ただし、その講義は1対30 でおこなう一方的なレクチャーではありません。全8回にわたる講義では、毎回課題の提出があり、それに対する濃密なフィードバックを全受講生に対しておこなっていきます。1×30 の講義ではなく、一人ひとりに寄り添ったマンツーマンの対話(フィードバック)が30人分あるのだと考えてください。

けっきょく32人で出発したバトンズの学校だけど、32人のひとりとして脱落することなく、最後までフィードバックという名の対話を交わしていくことができれば、すごいことが起こると思うんだけどなー。「これまでなかったし、これから先もない」学校になっていると思います。

受講生のみなさん、スタッフのみなさん、そしておれ。
来年2月まで走り抜けましょう。

思えば『取材・執筆・推敲』も「これまでなかったし、これから先もない」をコンセプトにつくられたのでした。