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おもしろかったインタビュー。

これは、おもしろかった。

カッキーこと柿内芳文氏が勝手に師と仰ぐ「神吉春夫」さんについて語る、全三回のインタビューである。

もしカッキーが知り合いでなかったなら、こころの底から「こいつと仕事がしてみたい!」と興奮したと思う。いろんなところでインタビューを受けたり、講座や講演会に呼ばれたりしている彼だけれど、柿内芳文史上最高のインタビューになっていると断言する。

彼と本をつくっていると、一冊につき一度や二度は大喧嘩になる。いや、実際には喧嘩ではなく、ぼくが一方的に怒る。現在進行中の本についてもやはり、真剣に怒ったことがあった。なんというか、彼と仕事をしているとどっちが編集者でどっちが著者だかわからなくなる瞬間がたびたびあるのだ。

なので一時期ぼくは、ライターとして「柿内芳文」を語り手にした本をつくるべきではないかと真剣に考えたことがある。彼の思考にことばを与えることは、おれにしかできない、おれに課せられた仕事のひとつではないかと。

けれども今回のインタビュー(とくに第二回から第三回)を読んで、その必要はないように感じられた。それくらい感心した、おもしろいインタビューである。第一回のインパクトが若干弱いのがもったいないけれど、ぜひそこで足を止めず、第三回まで読んでほしい。