趣味に大切な四文字。
友だちの家で。あるいはどこかの飲み屋なんかで。
部屋の片隅に置かれたギターを肩からぶら下げ、ジャーンと鳴らす。なんならピート・タウンゼントみたいに豪快なアクションで鳴らしてみる。きっとあなたはおどろくだろう。少なくともぼくは、毎回おどろく。あたまのなかで想像していた「ジャーン!」と、実際に腰のあたりから響く「びゃーん」の、あまりのギャップに。
むしゃくしゃしたときにギターをジャーンと弾いたら気持ちいいだろうなあ、の空想は、実際にやってみるとまったく気持ちよくない「びゃーん」でしかなく、よくいう「初期衝動そのままに」ギターを鳴らすことにさえ、一定の修練が必要なのだ。
「あなたのストレス発散法は?」
こう聞かれて答える多くの事どもも、じつは修練あってのおこないだったりする。カラオケだって、バッティングセンターだって、浴びるように酒を飲むことだって、それなりの修練がなければ余計にストレスをためる結果になる。
人生をいろいろさぼってきた振り返りとして、なにかひとつくらい無我夢中になれるギター的な、プレイの要素をもった修練を積んでおくべきだったなあ、と思うことが多い。
うまいものを食うとか、ネットショッピングするとか、そういうのじゃない、ちゃんと play する類いの趣味。その修練。
play なきストレス発散は、けっきょく身を滅ぼすだけな気がするな。