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冬のわたしが飲んでいるもの。

ホントかウソか、わからない話である。

以前定期的に通っていたマッサージ屋さんで、冷えた足を揉まれながらこんな話を聞いた。「寒い日にホットコーヒーを飲んでも、ほどなく身体は冷えていく。しかしココアを飲むと、身体のぽかぽかが持続する。冬はココアに限ります」。残念ながらぼくにはココアを飲む習慣がない。けれどもたしかに熱いコーヒーを飲んだあと、身体が底冷えするような実感はあるような気がする。「言われてみればそうかも」くらいの温度で彼の発言を受け止め、揉まれ、何年かの時を過ごした。

本日の東京は、風がびゅんびゅんに強かった。とても寒かった。打ち合わせからの帰り道、チョコレート屋さんの看板が目にとまった。持ち帰り用の、一杯何百円もする高級ココアが販売されていた。マッサージ屋さんでの会話を思い出し、よっしゃ。一念発起で買ってみた。

さて、ここからはいよいよプラセボ全開の話になるのだけれど、たしかに普段会社で淹れているブラックコーヒーよりも、身体が温まる(気がする)。ただしそれがココアのカカオ的な成分による作用なのか、砂糖や乳成分によるものなのか、あるいは全体の「とろみ」による保温作用なのか、そのへんは判然としない。それでもたしかに温まる。

思えば子どものころ、チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出る、と言われていた。もしもあの話になんらかの根拠があるとすれば、チョコレートの成分には血管を拡張させる作用があるのだろう。だとすればホットチョコレートたるココアに同じ作用(血管の拡張によるぽかぽか)があるとしても、なんら不思議な話ではない、といえる。


まあ、同じ理屈で言えば「食べすぎると鼻血が出るとされるもの」の筆頭、ピーナッツにもぽかぽか効果があることになる。そしてココアにしろ、チョコレートにしろ、ピーナッツにしろ、いかにも脂肪の増産に寄与しそうなものばかりで、あまり常飲・常食できそうにない。

結果として現在、わたしはお湯を飲んでいる。その顚末を記すためだけに、くどくど文を書いている。早く冬が、終わってほしい。