わたしはわたしを、こう励ます。
さあ、あとは書くだけだ。
もうとっくに書き終えたはずの原稿、その分厚いプリントアウトの束を前にして現在、そう考えている。これからもう一度全体に手を加えれば、というより、もう一度書いていけば、たぶんほんとうの脱稿になる。まだまだ考えるべき課題は多いものの、最終形はほぼ見えた。
きのうから2日間、カッキーと打ち合わせだったのだけれど、途中で彼がおもしろいことを言った。
「いやー、古賀さんもやっぱり急いでたんですかねえ。何箇所か誤字脱字があったからびっくりしましたよ」
あたりまえである。今回の本は 500ページを軽く超え、デザインによっては 600ページに迫ろうかというボリュームだ。そりゃあ3つや4つの誤字脱字くらいあるわ。
とはいえぼくは、いちばん多く仕事をしてきた編集者とそういうやりとりがなされるくらい、誤字脱字が少ないライターだ。いきなり完ぺきな文章を書いているわけでは、もちろんない——その証拠に、読み返すことをしないまま更新しているここの note は、誤字脱字が多発する。じゃあどうして書籍原稿での誤字脱字が少ないかというと、ひたすら読み返すからだ。推敲や改稿のありかたが、おそらく特殊なのだ。
次の本では、推敲まわりについても多くの筆を費やしている。そしてなにより、これから(おそらく)入稿前最後の、ほんとうの推敲・改稿が待っているのだ。
がんばれ、おれ。あと少し、もうすぐだよ。