ライターをやっててよかった、と思えるとき。
なんておもしろいことばをしゃべる人なんだろう。
まだぼくもみんなも mixi をやっていたころ。そして YouTube が大人気になった10年以上前。ぼくは、ある方のトーク映像を、くり返し、くり返し、見ていました。2008年当時の mixi 日記に、ぼくは YouTube へのリンクを貼りながら、こんなことを書いています。
最近、1日に1回は見ている YouTube 映像があります。
それはなんと矢沢永吉さんのトーク映像。1985年、矢沢さん35歳のときのテレビ番組です。
番組の内容としては、なんか夢を持ってがんばりつつも悩んでる若者が成功者・矢沢永吉に人生相談する、というもの。
この35歳の矢沢永吉がねー、すごいんですよ。ここまでおもしろく、よどみなく、しかも完全な自分の言葉で、自分の考えを「目の前にいる誰か」に伝えられる人って、そうそういないと思う。
そしてなによりすごいのが、相談者である吹けば飛ぶような若造と同じ目線まで降りていって、真剣かつ真摯に答えているということ。
たぶん、こういう「過剰なまでの真剣さ」がカリスマとしての矢沢さんをつくったんだろうなあ、と思います。そして語りかける言葉は、間違いなく天才です。
同じ35歳である自分がこんな言葉を誰かにかけるなんて、1000%無理だもんなあ。
絶対におもしろいことを保証しますので、ぜひ一度見てみてください。
(2008年11月のmixi日記より)
……と、矢沢さんのことばに魅せられてからおよそ10年後の先月末。なんとご本人にインタビューさせていただく機会を得ることができました。
いやあ、カッコよかった!
ひさびさに緊張したし、震えた。
かなり至近距離でのインタビューだったけれど、矢沢さんは一度も目を逸らさず、こちらが質問し終わるまで、じっと耳を傾ける。そして饒舌に語りだし、ゲラゲラと大笑いさせ、すばらしくキャッチーなメッセージを連発してくれる。リズム、ボキャブラリー、そのリンク、すべてが最高だった。贅沢すぎる時間だったし、あと何時間でもお話を聞いていたかった。惚れて惚れて、惚れきっちゃった。
また、なにかの機会でインタビューさせていただきたいなあ。
もっともっと、お話を伺いたい。
ぼくは、こういう人たちのことばを遺す、大事な仕事をしているんだなあ。ライターって仕事をますます大好きになる、そんなインタビューでした。
※ なお、白版(試聴版)を聴かせていただいた矢沢さんのニューアルバム、これがほんとに最高の出来で、だからこそぼくもウキウキで現場に向かい、矢沢さんも気持ちよく応じてくださったのだと思います。ぜひ!