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だまされる人の共通点

もう7〜8年ほど前になるでしょうか。振り込め詐欺に代表されるさまざまな詐欺、また悪徳商法を題材に、人が騙されるからくりを心理学的に分析する!みたいな内容の本をつくったことがあります。

たとえば、原野商法の営業マンはどんなテクニックを使ってくるのか。そのときお客さんは、どのような心理学的効果によって騙されてしまうのか。そしてどうすれば、それを未然に防ぐことができるのか。……そんな話がいろいろとまとめられた本です。

もちろん、「だまし」に関する心理学的からくりをたくさん知れたのは、貴重な学びでした。ただ、それ以上に「なるほどなー」と思ったのが、詐欺師たちがどんな人を狙っているのか、の部分を知れたことでした。

ぼくなんかの予想だと、お金があり余ってる富裕層に忍び寄り、どーんと大金をせしめてぴょーんと逃げていくルパン三世的な詐欺がいいのだろう、と思っていたんですが、ぜんぜん違うんですよね。詐欺師の発想は逆なんです。

とにかく彼らは、「ちょっとだけ弱ってる人」を狙っていくんです。金銭的に少しだけ困っている人。社会的に少しだけさみしい思いをしている人。そういう、うすーく弱ってる人たちから、うすーく回収していくんですって。

なぜなら、彼ら(弱ってる人)には「うすーい欲」があるから。

あわよくば、濡れ手で粟を掴みたい。せっかく買うなら損したくない。このままじゃいかん、なんかやらなきゃ、という危機感はそれなりにある。けれども自分で本腰入れて考えるのは面倒で、調査も比較も検討も、誰かにおまかせしたい。

そういうぼくらの、怠惰にして「うすーい欲」が、詐欺師にとっては釣り堀みたいなものなんだと、よくわかりました。


なぜこんなことを書いたのか?

朝から会社に営業の電話がかかってきて、さいこうに気持ちよかった居眠りを中断されたからでした。