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いま風邪を引いてる人たちへ。

ものすごく当たり前のことを言いますよ。

誰だって、風邪を引くじゃないですか。あと、お腹を壊したりするじゃないですか。それで、風邪を引いたりしたら「きのう湯冷めしちゃったかなー」とか、「満員電車で伝染されちゃったかなー。やたら咳き込んでる人いたしなー」とか思うわけじゃないですか。あるいは「ここんとこ忙しくしてて、体力落ちちゃってるのかなー」とか。

でも、どうなんだろうなあ。たとえば明日、井上尚弥選手のタイトルマッチがあります。今日も前日計量がおこなわれた、というニュースを目にしました。ふたりとも一発で計量クリアしたと。

そりゃあ試合に向けて(怪我のないよう)トレーニングを積んで、計量日から逆算するように減量もおこなって、それだけでもすごいのに、当たり前のように彼らはいま、風邪を引いたりしてないんだと思うんですよね。決して栄養満点の食事を摂れてたり、風邪薬や滋養強壮のドリンク剤を飲んだりしてるわけではないにもかかわらず。

つまり、風邪や腹痛を「不測の事態」とするなら、不測が起こらないような毎日を送っているわけでしょう。そしてそれは、ボクシングの激しいトレーニングとは違って、ぼくたちみんなにできるはずのことでしょう。外出時には常にマスクをするとか、うがい・手洗いを徹底するとか。コロナ禍において、ぼくたちみんながやっていたことです。

けれども現在、それを徹底できていない自分がいる。やればできるはずのことだし、実際あのころできていたはずのことなのに、徹底できていない自分がいる。それで風邪を引いたり、お腹を壊したり、ぼんやり体調を崩したりする自分がいる。

けっきょくこれって「命」の問題じゃないかと思うんです。

コロナ禍のあの当時、一定の真剣さをもって「感染したらやべえぞ」と思う自分がいた。「感染させたらやべえぞ」と思う自分がいた。演者に感染者が出て休演になるお芝居とか、イベントとかにたくさん触れていた。

そして井上尚弥さんにかぎらずスポーツ選手は、ちょっとした風邪を引くだけでもアスリートとしての「命」にかかわったりする。それで試合に負けたり、(コロナ禍の当時であれば)試合が中止になったり、試合に出られなかったりする。ある意味「命」にかかわることとして、日々マスクをしたり、うがい・手洗いをやっているわけです。

受験生とかも、きっと同じですよね。モーレツなお勉強も当然大事なんだろうけど、「いかに当日の体調を万全にもっていくか」もすこぶる大切な話であって、高熱のせいで力を発揮できないなんてこと、あってはいけません。


最近ぼくのまわりで風邪が流行っているんだけど、明日にタイトルマッチを控えているわけでもなく、センター試験当日が待っているわけでもなく、あるいはM-1の決勝戦に臨むわけでもないのであれば、なんでもない風邪を引けた自分を祝福するというか、風邪でもやっていける自分の今日や明日に感謝しつつ、あたたかくして寝ていてほしいなあ、と思います。

間違っても「這ってでも会社に行く!」とか思わずに。今日明日の仕事は別にタイトルマッチじゃないんだからさ。