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どうでもいい話をするだけの理屈。

測っても熱はなく、風邪ではないはずだ。

けれど先週あたりから、ずっとうすく、調子が悪い。なんとなく熱っぽいというか、ぼんやりしている。熱をもった目がかゆかったり、鼻がぐずぐずだったりする。秋の花粉がもたらす、アレルギー性鼻炎なのだろう。

ぼくの鼻炎はそこまで重度なものではなく、市販の鼻炎薬を飲めばある程度おさまる。「とくにこれが効く」という薬が何種類かあり、それを飲んでしのいでいる。

しかしながらその市販薬には弱点があって、ひとつに眠たくなる。てきめんに眠たくなる。ただでさえ着込むことが増え、暖房に手を伸ばしたりしがちなこの季節。ぬくぬくのなかでやってくる眠気は、かなり手強い。

そしてまた、喉が渇く。鼻炎薬を飲んだところで、両の鼻腔がすーすー通るわけではない。だいたい片方の鼻は詰まったままの状態で、それでも(かろうじて)もう片方の鼻は通っているのだから満足しようぜ、というのが鼻炎持ちと鼻炎薬の停戦合意だ。なのでほんとうは口呼吸しているほうが楽で、たとえば寝るときなんかは、見事なくらいに口を開けてぼくは寝ている。

そうするともう、横になって五分としないうちに口のなかが乾燥する。喉が渇きまくる。けれどもここで水をがぶがぶ飲んでいると、なかなか寝つけないし、朝方トイレで目を覚ましてしまう。よくない。せっかくの睡眠を、そんなことで妨げてはいけない。

そこで現在、就寝時のぼくは、喉が渇くたびにキシリトールのタブレットを舐めるようにしている。不思議なもので、あんだけカラカラに乾燥していたはずの口腔内から、お前らどこに隠れてたんだ。みるみる唾液があふれてくる。しかも唾液は、コップで飲む水よりも長く口腔内にとどまってくれる。余計な水分摂取でトイレが近くなるようなこともなく、キシリトールは歯の健康にもいいらしいので、一石二鳥、いや三鳥である。


さて、ここまでのあいだにぼくは「口呼吸で喉が渇く人は、キシリトールのタブレットを舐めながら寝るといいよ」という話しかしていない。いかにも範囲の狭い話であり、どうでもいい話である。もっとおもしろい話や役に立つ話をしろ、と立腹される方もあるだろう。

しかしながらインターネットとは、そもそもこういう「どうでもいい話」があふれる場であり、本に書いたり雑誌の特集になったりテレビで紹介されるほどでもない、生活における「ほんのちょっとしたこと」に光を当て、そのニッチな事象を求めただれかが検索エンジン経由でたどり着き「こんなことまで書いてあるんだもんなー」とよろこぶ場だったように思うのだ。役立たずなどうでもいい話こそ、もっとたくさん書かれるべきなのだ。

というわけで鼻炎にともなう口呼吸、さらには口腔の渇きに悩むあなたよ。キシリトールのタブレットをお試しあれ。