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おれもやるよ。黙ってやるよ。

世間の話題についていけてない。

あの映画がおもしろかったとか、このドラマがやばいとか、その手の話題についていけてない。「WORK or DOG」。それが(とくに今年の)ぼくの日常である。ものを書く人間として、あるいはふつうに人間として、こうした状況はとてもよろしくないことのように言われる。アンテナを立て、世間の流れをちゃんと知り、さらには生活人としてのゆとりを持っていないと結局いい仕事もできないよ、みたいに言われる。そしてそれは一定程度、事実なのだと思う。

しかし一方、世のなかには「半年間別荘にこもって書き上げました」とか、「一年間スタジオにこもってレコーディングしました」とか、「終わったときには浦島太郎状態でした」とかいった話が、かっこいい美談のように語られたりもする。ひとりのファンとして、そういうつくり手たちを無邪気に応援していたりもする。

けっきょくどちらが正しいというわけではなく、また両方を選ぶこともできず、いまの自分に合った道で生きるしかないのだろうと思っている。


ただ、ものすごく忙しかったり、追い詰められたりしてるとき。しかも周囲から遊びまくりの声が聞こえるとき。支えになるのは「黙ってやってる人」の存在だ。できれば数人、むずかしければひとりでもいい。直接の知り合いに尊敬すべき「黙ってやってる人」がいれば、それだけで支えになる。おれもやるよ、と。黙ってやるよ、と。

仲がいい友だちも大事だけど、尊敬できる友だちってほんと大事だよなあ、と思うのだ。けっこうなおとなになってからそういう友だちと出会えた自分は幸せだよなあ、と。