スタイルを決定するのはDである。
まだまだまだ、なのだけれど、最近すこしずつ体重が減ってきた。
とくにダイエット的なことはしておらず、0時をまわってカレーを食べたり、スナック菓子を食べたりすることもある。けれども夏だからなのか、犬の散歩が効いているのか、あるいは毎日ちゃんと体重を量るようになったおかげか、体重の折れ線グラフが下降傾向にある。それはむっくりと丸みを帯びたぼくにとって、とてもいいことだ。
痩せている人を形容するとき、ぼくらはついつい「細い」と言ってしまう。そして自分のことを「太い」と思い、細くありたいなぁと願う。日本語としても「あの人は太っている」は、正しい用法だろう。
けれども、ほんとうに痩せている人とは「細い」のではなく「薄い」のだ。
そしておデブさんな人とは「太い」というより「厚い」のだ。
お腹まわりはもちろんのこと、胸や腕、肩まわりに尻まわり。いろんなところが「厚い」のだ。家具などの寸法表でいうならW×H×Dの、Wが広いというよりもDが分厚いのである。
よく姿勢がいい人は美人に見えるというけれど、それはたぶんDを薄く、美しく見せる効果があるからではないかとぼくは踏んでいる。
洗面所の鏡に映る正面像の自分は「Dのない自分」だ。なのでそれほど太っている気がしない。これくらいでいいんじゃね?とさえ、思う。
ところが道すがらのショーウィンドウに映る自分は「Dのある自分」だ。なんて丸いんだ、なんておデブさんなんだ、とがっかりする。
スタイルとは、WでもHでもなく、Dによって決定されるものなのだ。