追われてないと、走ってる実感がない。
ある方からある場所で、「今年はなにができましたか?」と質問を受けた。
あわてて考え、もごもごと口にしたのは、仕事のことだった。あの本も出せたし、あの本に取りかかることもできた。収穫も、種まきも、どっちもできた。どうにかなんとか、会社も順調だ。浮かんだのはせいぜい、そんなことだ。
でもなあ、と思う。仕事じゃないところで、今年なにができたんだろう。
いつのまにか「成長」ということばを、職能的な文脈でのみ使っている自分がいる。それも悪くはないんだけど、たぶんここから劇的に文章がうまくなる、みたいなことはないと思うし、そもそもこの二十年くらい、あんまりにもプライベートを粗末に扱ってきた。ないがしろにし、あとまわしにしてきた。
その態度はきっと、仕事上での雑さやルーズさにもつながっていくんだろう。
よく言われる「ていねいな暮らし」ということばには、若干の違和感がある。ずっとフリーランスでライターをやってきたからなのか、個人的な性格の問題なのか、「追われていないと、走っている実感を得られない」みたいな困った性分がある。自分で自分の首を絞めるような働き方を、ついつい選んでしまっている。
でも、「仕事に追われまくってる」のは、「プライベートから逃げ回ってる」ことでもあるんだよなあ。来年は、プライベートで「これができました」と言えるようなこと、なにかやろう。それができる自分であろう。
いまはとにかく、たっくさんの「資料じゃない本」を読みたいです。これはもう、老眼がはじまる前にやっとかないとねー。