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掃除の鬼神におれはなる。

そろそろオフィスの大掃除が必要だ。

仕事が落ち着いたらやろう、なんて思っているうちに12月も後半に突入してしまった。仕事が落ち着くことなんてないのだし、本や書類の山に埋もれて仕事をするよりは、ズバッとバサッと大きな掃除に取りかかるべきなのだ。

若かりし日のぼくは、二年に一度、引越をしていた。賃貸契約の更新日が迫るごとに、次の家へと引越していた。大抵は引越日前日まで仕事に追われ、当日になってあわてて荷物をダンボールに放り込み、本来そこで処分してしかるべきものまで次の家へと持ち運んでいた。

そういう引越を何度もくり返していくと、正体不明のダンボールが何箱となく生まれるようになってくる。前の住居から持ち込んだものの、開けることもなく押し入れに放置され、また次の住居へと運ばれていく謎のダンボールだ。ダンボールの側面には油性ペンで「その他」と書かれており、なにが入っているのかわからない。わざわざ開封して確かめる気にもならない。とりあえず捨てずにキープしておけば、いざというときに「うぎゃあ、捨ててしまったあああ!!!」なんて後悔することもないだろう。そういう判断から謎のダンボール群を持ち運んでいた。

けっきょくそれらのすべてを処分したのは、会社をつくったときだった。会社をつくり、自宅近くに借りていた仕事用のワンルームマンションを引き払ったときにすべて、謎のダンボールを処分した。開封しないまま、たくさんの本や CD と一緒に処分した。会社をつくってよかったなあ、会社をつくらずひとりで仕事をしてたら、あのまま本とダンボールの山に埋もれて朽ちていたよおれは。そんなふうにせいせいしたものだった。

そして現在。あろうことか会社にも謎のダンボールがあふれ、本と書類の山に埋もれながら仕事をする自分がいる。


バトンズの仕事納めは12月27日。その日は朝から掃除の鬼神と化して、ぴかぴかのオフィスを取り戻します。