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関わってくれたみんなが誇りを持てるように。

きのう『さみしい夜にはペンを持て』に重版がかかりました。

発売から一週間を待たずの三刷。累計二万部。ただでさえ多くない髪の毛がぽろぽろ抜け落ちそうだった発売前の不安も吹き飛び、おかげさまでとてもうれしい一週間を過ごすことができています。手に取ってくださったみなさま、話題に上げてくださったみなさま、推薦コメントを寄せてくださったみなさま、推してくださった書店員のみなさま、ほんとうにありがとうございます。

そしてなにより御礼をお伝えしたいのが、ポプラ社の営業・プロモーションスタッフのみなさまです。

率直にいうと著者やライターの立場で、営業やプロモーションのみなさんと接する機会はほとんどありません。あったとしても、書店イベントや講演会にスタッフとして駆けつけてくださるときくらい。普段ぼくらが顔を合わせるのは編集者さんばかりで、その編集者さんからも「うちは営業がほんとに馬鹿で」みたいな愚痴を聞かされることが多々でした。

それが、10年くらい前だっけ。堀江貴文さんの『ゼロ』という本をつくるにあたって、担当編集のひとりだった加藤貞顕さんが「営業・プロモーションの人たちとコミュニケーションをとっておいたほうがいい」と、ダイヤモンド社の営業・プロモーションスタッフの方々との酒席を設けてくれました。正直、面倒くさいなあ、と思って指定された居酒屋まで足を運びました。

が、しゃべってみるとめちゃくちゃおもしろいんですよね、営業やプロモーションの人たち。編集者さんとは違った視点で本を見ているし、市場を見ている。本の出来・不出来についても、ある意味編集者以上に厳しい。そして著者・編集者からのバトンを受け継ぐ最終走者としての誇りを、存分に持っている。自分たちこそが書店さんとつながり、読者とつながっているという自負が、ことばの端々から感じられる。へんな編集者さんとしゃべっているより、ずっとおもしろい。

以来、発端となった『ゼロ』はもちろん、『嫌われる勇気』や『幸せになる勇気』、そして『取材・執筆・推敲』でも、ダイヤモンド社の営業・プロモーションのみなさんとは、かなり密なコミュニケーションを取りながら、たのしく仲よくお仕事させていただきました。

そして今回。

この一年、打ち合わせでポプラ社さんを訪ねるたび、編集の谷さんが営業やプロモーションの方々を紹介してくださりました。いまこういう本をつくっているんです、がんばりますからよろしくお願いします。そんな程度の挨拶からはじまって現在、この本の魅力をもっともっと伝えようと、たくさんのアイデアを持ち寄ってくださっています。すごくたのしそうに。

本って、あらためてみんなでつくってるし、届けてるんだよなあ。みんなのものなんだよなあ。

出版社のすぐれた営業・プロモーションスタッフのみなさんと接するたび、ぼくは思うんです。関わってくれた「みんな」が誇りを持てるような仕事をしていきたいなあ、と。