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うらやましかった、あの三文字。

ダウンタウンが全国ネットの番組に登場するようになった1989年。

まあほんとに、なにもかもが新しかった。当時の彼らはちょうど、2000年代のアップルに似ていた。「おれたち以外」のすべてを野暮ったくて時代遅れなものと化してしまう暴力的な革新性が、そこにはあった。彼らの語る言葉や価値観は、あっという間に若者たちへと浸透し、プロレスのようであったお笑いをゴツゴツした格闘技へと変化させた。

ご多分に漏れずぼくも、彼らの色や価値観に染まっていったのだけれども、ひとつ「これはうらやましいなあ」と思っていた言葉がある。

「おかん」だ。

関西では当たり前なのかもしれないこの呼び名、ぼくがテレビを通じて知ったのはダウンタウンのフリートークが最初だった。「おかあさん」でも「母親」でも「かあちゃん」でも「おふくろ」でもなく、「おかん」。

当時のぼくは高校生。自分の母親について、人前で「おかあさん」と呼ぶのは恥ずかしい年頃である。けれども「おふくろ」の呼び名はあまりにも中年くさく、味噌汁くさい。かしこまった「母親」も、正直呼びづらい。そこへ現れた「おかん」の三文字に、なんて便利でズルイ呼び方だろうと、彼らと関西在住者のことをうらやましく思った。


という話をしているのは、現在軽い悪寒に襲われているからである。

きのう三回目のワクチン接種を終え、なんの違和感もないまま就寝し、目覚めてみたら左腕に鈍痛が走り、悪寒に襲われている。体温計が指し示す数値は微熱であるものの、なんだか寒くていま、部屋の中でダウンジャケットを着て、ネックウォーマーをつけて、足元に犬を置いている。

前回もそうだったし、きょう一日はお仕事休んだほうがいいのかな。


ほんとはきょう、書きたいことがあったんだけど、そこに筆を運ぶのはまた明日以降にします。