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理想のクッションを求めて。

「ジカ」という音を聞いて、あなたはなにを思い浮かべるだろうか。

ジカ熱のこと、すなわち蚊を媒介とするジカウイルス感染症のことを思い浮かべたあなたは、頻繁に海外渡航をされているか、記憶力に優れているか、どちらかだろう。リオデジャネイロ五輪を目前に控えた2年前のいまごろ、日本でもジカ熱の問題が大騒ぎになった。もう過ぎ去った危機だと思われている方々も多いかもしれないが、政府はいまも注意喚起の広報活動をおこなっている。

あるいは、「時価」のことばを思い浮かべたあなたは、骨董品や宝飾品の類いを多数所持されているのかもしれない。時価3000万円の逸品。なににそんな値段がつくのか知らないが、男子たるもの一度はそういうものを持ってみたいものである。

そしてここ数週間のぼくがもっとも発した「ジカ」の声は、なんと情けないことに「痔か?」である。


万年デスクワークの執筆業に就いて20年。ぼくの尻は、ずいぶん長持ちしてくれた。そりゃ椅子やら座布団にはそれなりに気をつかってきたけれど、これまで一度として痔を発症することなく、健康でヒップを保ってきた。MUJIを満喫する男だった。

ところが、この2週間くらいだろうか。なんか尻に違和感があるのだ。痛みはないけど「いつもと違う感じ」がするのだ。拭いても洗っても拭えない、へんな感じが残るのだ。

あまりに長いMUJI生活のおかげで、ぼくは痔に関する知識をほとんど持っていない。「きれ」とか「いぼ」とか種類があると聞くが、文字面から想像できること以上の知識を持たないし、あまり深入りしたいとも思わない。検索したときに出てくるであろう患部の写真を見るのがイヤなのだ。

そこで考えたのが、あらたなるクッションの購入である。

これまで椅子用のクッションは、主に腰痛対策に購入してきたのだが、今度はMUJI生活の継続を念頭に買ってみよう。あの、ドーナツ型のクッションを買ってみよう。アマゾンに飛んでいろいろ検索した。


とりあえず現在、このクッションを使用している。

アマゾンで買いものするとき、ぼくは本や映画のカスタマーレビューはあんまり読まない。ネタバレが怖いのもあるけれど、本や映画については「あの人がほめているなら大丈夫だろう」みたいな、人への信頼と結びついていることが多く、あまり不特定多数の声はあてにしていない。

一方、ざっくり「モノ」と分類できる商品については、カスタマーレビューを読みまくっている。そこで語られるものの多くは「機能」に対する評価であるはずで、たとえば縫製がめちゃくちゃだとか、すぐに留め具が破損したとか、そういう話の信憑性は特定の「あの人」に担保してもらうまでもないのだ。

だから、なのだろうか。

ぼくの買いものの失敗は、圧倒的に「モノ」のほうが多い気がする。機能的には優れているはずでありながら、なにかしっくりこない。むしろ鬱陶しい。なんとなく、今回のクッションもそんな商品であるような気がしてきた。


やっぱり本でも映画でもクッションみたいな商品でも、「信頼している人からのクチコミ」がいちばん頼りになりますよねえ。たとえ第一印象がパッとしなくても「あの人があんなにほめてるんだから、もう少し使ってみるか」にはなるもの。

ちなみにMUJIな方々におすすめのクッションは、断然これです。