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知ってましたか、体育の日。

カレンダーを見て「んんっ?」。眉間にしわが寄った。

本日は10月11日だと、カレンダーは告げている。流行に疎いぼくも、世間が10月に入ったことは知っていた。行楽の秋、食欲の秋、スポーツの秋。たしか数日前の note にもそんな話を書いた。しかし問題は11日のほうである。

あれ? たしか10月10日って「体育の日」じゃなかったっけ? きのう休日だったっけ? おれの記憶違いだっけ?

頭にクエスチョンマークが浮かんだひと特有の、あごを前に突き出した姿勢でカレンダーを睨んだ数秒後、ああそうだった、と気づく。あれだあれだ、ハッピーマンデーだ。祝日を月曜日に移動して、三連休をつくるやつだ。


(世代的にぼくは、「ハッピーマンデー」ということばに対してどうしてもこいつらを思い浮かべてしまうのだけど、それはそれとして)


この「わりとどうでもいい祝日は、第二月曜日とかに決めちゃって三連休をつくっちゃいましょう」というハッピーマンデー制度。ありがたいし助かるし、十分満喫させてもらっているんだけど、どこか効率優先というか、本来その祝日に込められていたはずの思いや願いがないがしろにされた、味気なさを感じてしまうのはぼくだけ?

なんておっさん心を発揮して、ぼくはウィキペディアで「体育の日」の項を覗いてみた。

するとみなさん、ご存知でしたか。体育の日って、今年で終わるんですよ。なくなっちゃうんですって、体育の日。代わりに来年から「スポーツの日」って名称になっちゃうんですって。ぜんぜん知りませんでしたよ、ぼくは。

もともと体育の日は、前回1964年の東京オリンピックを記念してつくられた祝日。このまえの東京オリンピック、開会式が10月10日だったんですよね。そこまではぼくも、知っていました。それでたぶん、あたらしいオリンピックがやってくるから、記念に名前を変えちゃおうという話になったのでしょう。「体育」ってことばもどこか軍隊的だから「スポーツ」にしましょう、って話になったのでしょう。


なんかねえ、ぼくはここで「スポーツ」という無難なカタカナを置いてしまうセンスがもったいないなあ、と思っちゃうんですよ。

オリンピックを機に名前を変えるのは別にいいんだけど、せっかく変えるのなら「体育」でも「運動」でも「スポーツ」でもない、あたらしいことばや概念を、発明、提案、啓蒙するチャンスだっただろうになあ、って。

体育とスポーツのあいだに、なんかヒントがあると思うんだよなあ。