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守ることと、はみ出すこと。

そういえば最近、iPad mini を買った。

ずっと使っていた Kindle Oasis の調子があまりにおかしくなり、ぜいたくな話だとは思いつつ、読書専用端末として購入してみることにしたのだ。そもそもたくさんの漫画を購入・保存するのに Kindle シリーズは、容量が少なすぎる。これも iPad mini への乗り換えに踏み切った理由のひとつである。

小学生のころ、ぼくは漫画家になりたいと思っていた。実際に、たくさんの漫画を描いていた。プロレス漫画とSF漫画の二択だったものの、数だけはたくさん描いた。

それだけ描くということは当然、漫画を読むのも好きだった。そして兄がいた影響でぼくは、ちょっとだけマセた漫画読みだった。コロコロコミックを読んでいたのは幼稚園までで、小学校になってからは一貫して週刊少年ジャンプ、週刊少年サンデー、フレッシュジャンプを読んでいた。そして小学校の高学年でスピリッツを読むようになり、中学の途中からはそこにモーニングやスペリオールが加わった。クラスのみんながジャンプに夢中ななか、ひとりスピリッツを読む自分を少し、得意に感じたりもしていた。

その名残もあるのだろう。大人になってからも、いわゆる「青年誌」に分類される漫画誌の連載作品ばかりを追いかけていた。ときおり人に勧められて「少年誌」の漫画を読んでみても、どこか子どもっぽく感じたりして通読できなかった。

しかしながらこの10年〜20年ほど、青年誌の漫画は「情報」に寄ったものが多く感じられ、うまくたのしめない作品が増えてきた。「よく取材してるなあ」と感心する一方で、「でも、これだったら漫画じゃなくてもいいかな」と思ってしまう。ふつうの本を読むほうがおもしろく感じられてしまう。そういう時期がしばらく続き、新作漫画から足が遠のいてきた。


そして去年、思い立った。

いまの年齢、いまの目で、ジャンプ作品を読んだら、どうなんだろう?

意識的に、ジャンプやサンデーの作品を選んで買うようにした。

よく言われるように少年漫画には「お決まりのパターン」がいくつかある。キャラクター造形、キャラクターの配置、その登場する順番、敵と謎の設定方法など、ちゃんと基本パターンを踏襲している。しかし、特別におもしろい漫画は、思いも寄らぬかたちでその型をはみ出してくる。作家の、また作品の個性は「はみ出し方」に宿ると言ってもいい。

そして踏襲すべきパターンが(ある程度は)確立された少年漫画のほうが、作家の「はみ出し方」を味わうのに気持ちいいのだと、最近気がついた。


もちろん青年誌の漫画もおもしろいですよね。今年ビックリしたのは、このふたつかなー。

来年はもっともっとたくさんの漫画を読んでいきたいです。