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面倒くさい男との打ち合わせ。

きのう、カッキーこと柿内芳文氏と打ち合わせをおこなった。

原稿についての打ち合わせではない。原稿はもう、個人的に「完成した」と思えるところまで行きつき、その最終稿を彼に手渡している。きのうは、本のパッケージやプロモーションプランについて話し合う予定だった。打ち合わせの冒頭、カッキーは1枚のA4用紙を差し出し、「いや、今回の最終稿をもう一度頭から読み返したんですけどね」と語りはじめた。


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A4用紙には、このコマがプリントされていた。「読み終わったとき、ぼくが最初に思い出したのが、このコマだったんですよ!」。

「……???」

訝しげな表情を浮かべるぼくに、彼はこれが『ジョジョの奇妙な冒険』第3部の終盤に出てくるひとコマであること、DIOというキャラクターがいて、そのキャラクターは「ザ・ワールド」というスタンド(超能力のようなもの)を使って、これはそのスタンドを修得した際の感覚をあらわしたものであること、などを熱く語り出した。ますます意味がわからない。腕組みして首をひねるばかりのぼくに対し、業を煮やしたように彼は、


「要するに、すべての歯車が完ぺきに噛み合う快感を味わった、ということです! すごい、ついに完成しましたよ、これ!」


と言った。漫画リテラシーが低くて申し訳ないと思う反面、最初からそれを言えよ、とも思う。こういう道具立てがないと、うまく本心をしゃべれない男なのだ、柿内芳文氏は。

その後はサブタイトルの方向性について話し合ったり、プロモーションについて案を出し合ったりしつつ、ここには書かない&書けない雑談レベルの諸々もおしゃべりした。

とりあえず今回の最終稿について言えるのは、「おれ」自身がおもしろいと思っているし、「こいつ」もおもしろいと本心から思ってくれている。だったらもう、おもしろいに決まっているということだ。けっこう厳しい(面倒くさい)読者だからね、ぼくとカッキーは。