まったくあたらしい宗教画。
きのう、毎日新聞の電子版でこんな記事を見かけた。
会員限定の有料記事なので全文読めない方が多いと思うけれど、
■ 新型コロナウイルスの感染拡大と休業要請を受けて、全国各地のライブハウスが危機に瀕している。
■ そこで音楽の街・博多では地元ミュージシャンが先頭に立って「新型コロナから博多のライブハウスを守りたい!」というクラウドファンディングを開始している。
■ その想いに賛同した福岡出身のミュージシャン、鮎川誠さんが疫病退散の御利益があるとされる妖怪「アマビエ」のイラストを自ら描き、無償提供した。
■ こうした動きは全国各地でも起こっており、クラウドファンディングのほかに、無観客ライブを YouTube で有料・無料配信するミュージシャンも出てきている。
といった内容の記事だった。読み終えてそのまま、クラウドファンディングでの支援をさせていただいた。
率直に言ってこういう時期、誰かの力になりたい、なにかの助けになりたいと思って寄付の行き先を考えることは、なかなかむずかしい。その迷いから解放されたい気持ちもあって、ぼくは日本赤十字社をはじめとする何箇所かに自動引き落としでの寄付を毎月続けている。そして今回の新型コロナウイルス関連についても、別途寄付をしている(ツッコミが入るのが面倒なので書くけれど)。それでも「博多のライブハウスよりも先に救うべきところがあるだろ」との意見は、ありえるのだろう。
ぼくが今回、迷わず支援してしまった最大の理由は、鮎川誠さんの描いた絵だ。
このアマビエの姿、どう見てもシーナさんなのだ。
どこまで意識されたものなのかわからないけれど、2015年に他界された妻、シーナさんにしか見えないのだ。シーナさんに祈りを捧げる絵だ、これは。
鮎川さんの絵、あまりにジョニー・B・グッドな「GO! アマビエ GO!」の文字、アマビエに関する解説文、いろんなものに圧倒されながら『火の鳥 鳳凰編』を思い出した。あの我王が彫り続けた仏たちを思い出した。
この時代の、まったくあたらしい宗教画が生まれた瞬間に立ち会えたような感動に包まれて、これはたくさんの人に知ってほしいなあ、と思った。このクラウドファンディングに、ぜひとも成功してほしいと思った。
鮎川さん、ほんとカッコイイなあ。