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まだまだ大丈夫な朝のルーティーン。

起きるのが遅い、という根本原因がある。

きょうは『さみしい夜にはペンを持て』の編集者、谷綾子さんが最近編集した『午前七時の朝ごはん研究所』という本の話からはじめたい。マンガのようで、絵本のようで、カルチャー誌のようでもありながら、もちろんレシピの本であるという、見ても読んでも心にたのしい、すばらしい本だ。朝ごはんが変われば人生が変わる、とさえ思えてくる。

谷さんからこの本を頂戴したとき、「古賀さん、朝ごはんってどうされていますか?」と訊かれた。それで、ごめんなさい。深く頭を下げてぼくは「食べないんです」と答えた。朝、そんなにお腹が空かないし、とかなんとか言いながら実際のところは、起きるのが遅いのだ。九時ごろに起きて、あれこれと準備をして出かけると、もはやブランチ。多少腹が空いていてもランチの営業開始時間(11:30)まで待とう、となってしまう。起きるのが遅いのは寝るのが遅いからで、ぼくの場合だいたい三時から四時くらいまでベッドで本やマンガを読んでいる。

起きてから出かけるまでの準備には、いろいろある。犬にトイレをさせて、そのトイレシートを交換して、水を飲ませて、本人の様子に応じて朝ごはんを食べさせて、といった犬の時間。

それから洗顔や歯みがき、ひげ剃りなども当然あるし、服を着替えることも準備といえば準備だ。

そしてこの季節には朝、シャワーを浴びることが多い。

本来風呂は、就寝前に入るものだ。夏以外の季節であればぼくも、そうしている。しかしこの季節はどうも就寝中にそれなりの汗をかいているらしく、目が覚めた朝になんとなく、頭に違和感がある。こう、頭皮にうっすら汗をかいているような。あるいは頭皮に、うすい膜が張っているような。

起き抜けのシャワーでこれを洗い流すと、すこぶる気持ちがいい。毛穴に詰まっていた前日の汗が、苦い思いが、すべてしゅるしゅると洗い流され毛穴が空っぽになっていく実感がある。あたらしい一日がはじまるのだ。


正確な引用ではないものの以前、みうらじゅんさんが「オレなんかが仕事をもらえてるうちは、日本は大丈夫ですよ。オレが生活できてるうちは平和だし、まだまだ豊かなんですよ、日本は」とおっしゃっていた。

いろいろ言っても毎朝シャワーを浴びてるうちは、まだ大丈夫だよ。お前はちゃんと健康だし、元気だし、幸せな場所にいるんだよ。

そんなことを、朝のシャワーに思うのである。朝ごはんもきっと、そういうものなんだよね。